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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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ゲームで大盛り上がり

 バチバチの火花が飛び散るお茶会が始まった。

 特にアナベル姉さまとクローディア様の応酬が凄まじい。クローディア様は7才らしいけど、アナベル姉さまより年下とは思えない口達者である。

 そういえば、今、気付いたんだけど……美形度合いから察するに、エリオット様は乙女ゲームのいわゆる攻略対象ではないだろうか。で、クローディア様はエリオット様攻略の際の悪役令嬢。

 だってね、クローディア様は7才ながら今にも「オーホホホッ」と高笑いしそうな傲慢っぷりが見え隠れしているのよ。私も前世を思い出さず順調に育っていたら、こんな風だったんだろうか。なんだか恥ずかしい……。

 さて、漂う空気が殺伐として全然楽しくないので、雰囲気を変えてみることにした。

「気分転換に、少しゲームをしてみませんか」

「ゲーム?」

 そう、アリッサ特製人生ゲームだ。


 お茶会で試してみたかったものというのが、これ。ていうか、用意して良かった。ギスギスした空気が変えられる……!

 最初はただのスゴロクを作りかけていたのだけど、いやいや、イベントある方が盛り上がるわ!と作り直したのだ。正解だった。

「しゃ、借金?!この私が……!!」

 エリオット様が大ショックを受けている。その横で大笑いしていたライアン兄さまは事故で1回休みになり、ガッカリ落ち込む。

 私は早々に結婚した。お祝儀を全員からもらう。

「……貴方、さっき商会設立で儲けたばかりなのに、こんなにお祝儀集めるの?!えげつないわ……!」

「お祝いごとをケチるなんて、キモが小さいですよー、はい、出して出して!」

 クローディア様にニヤニヤしながら言った私だが……その後は事業拡大に失敗し、病気になり、散々な目に。

 結果、1位はハリー様、最下位は私という有様になった。

「……恐ろしいゲームだな、これは。君が考えたのか?」

「ええ、そうです……」

 途中まで好調だっただけに、後半の災難続きはショックで、さすがに私も元気をなくしてしょんぼりしながら答える。うう、自分で作ったとはいえ、厳しすぎるよ……。

「こんな人生はゴメンだが、ゲームとしては非常に面白かった。販売はしていないのか?」

「そうね、滅茶苦茶な人生になったけど、思ったより楽しめたわ。売っているなら、買ってあげても良くてよ?」

 おお?好感触?

「これは今回のお茶会用に作ったので、販売はしていないんです。でも、みなさんに楽しんでもらえるようですから、商品として開発してみますね」

 エリオット様はにっこり微笑んだ。うわ~、眼福。

「うむ。必要であれば、出資もしよう」

「それは大丈夫です。あ、でも、改良点を出してもらえると、ありがたいです」

「人生の後半に、良い出来事が少なすぎるわ!これまでの功績で叙爵とか、そういうのを入れなさいよ」

「いいアイディアです、クローディア様!他にありますか?!」

 ……こうして、お茶会は人生ゲーム改良会議に突入した。予想外に白熱して、楽しかった。

 クローディア様やエリオット様とも、いいお友達になれそうな気がしてきたな……。

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