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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ7才

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オリバー兄さまの手伝いや、護衛のことなど

 お父さまは王都へ戻ってしまったので、すっきりしない気分のまま、翌日からはオリバー兄さまの手伝いへ。

 ……といっても、もうヘイリーさまと段取りを組んで、我が家の平民出身の従僕や侍女たち相手に読み書きの第一回基礎講座をやってみたらしい。

「でも……これはなかなか難しい試みかも知れない」

 張り切っていたオリバー兄さまは、今は少し気落ちした様子だ。

「難しいですか?」

「神殿に来る子供たちは、子供だからかな……好奇心は旺盛だし、新しいこともどんどん吸収していくけれど、うちの従僕たちはそれなりの年齢だろう?決められた仕事はきちんと出来ているのに、何故、今さら読み書きを求められるのか?と言うんだ」

「あー……なるほど」

 大人になってから、文字を覚えるってやっぱり大変だろうしなぁ。

「えーと、じゃあ、文字だけ覚えさせるのではなく、面白い本の読み聞かせから始めてみたらどうですか?神殿も最初はそうだったし」

「面白い本かぁ。おすすめな本はあるかい?」

 まあ子供向けだけど、長靴を履いた猫の絵本はそんなに評判悪くないから、そこからスタートかな。

 あとは……既存の恋愛小説や冒険譚をもう少しかみ砕いて読みやすくしてみるといいかも知れない。とりあえず本好きなジョージーナさまやケイティさまに相談してみよう。お二人はかなりの読書家だから、読みたくなる本をいろいろ教えてくれそう。


 さて、私が狙われているかも?という件は、私専属の護衛であるメアリー、リック、テッドには伝えられた。

 私が学院へ通い始めるまでにそれなりの腕になればいいとお祖父さまは考えていたらしいけれど(いくら公爵家のご令嬢といえども、うちのような平和な国で早々に命を狙われることはないからだ)、“それなり”ではどうも足りないので……修行がかなりハードになったそうだ。

「お嬢。なんで天恵者ってゆーので狙われるんだ?」

 アザだらけのテッドが不思議そうに聞いてきた。

「なんか特別な知識を授かってんだろ?誘拐して、それを利用しようってんなら分かるけどさー」

「だよな。それにお嬢って他人から妬まれるほど、王都で活動もしてないのに。それとも俺たちが知らないだけで、いろいろヤラかしてんのか?」

 リックも腫れている目元を冷やしながら首を捻っている。

「何もヤラかしてないよ!理由がわかるなら、さっさと犯人捕まえてるってば。この間までは、誰が狙われてるかも分からなかったんだから」

「そっか。そうだな。……にしても大変だなぁ。公爵家の人間ってだけでも結構大変なのに、ワケ分からんまま命も狙われるなんてさ」

「んー……でも危ないのは、護衛してるリックたちの方だから。やばいと思ったら逃げてね?」

「なに言ってんだよ!」

 テッドがゲラゲラと笑う。

「そんなん、護衛じゃねーだろ。お嬢の方こそ、戦闘になったらおとなしくしてろよ?前に出そうで怖ぇよ」

「そうそう。俺たちだけじゃなく、お嬢も守られる訓練しないとなー」

 どんな訓練よ、それ。

 そうそう。リックはまだ常に私に付くのはムリなので、領限定でラクが護衛に付くこととなった。

 ラクは喜んでいるけれど……大丈夫かなぁ。魔法も、今は使えないよう封じてあるものを解く予定らしい。それだけお祖父さまは私の心配をしていて、かつラクの腕を認めているってことだ。リックとテッドは悔しそうだけどね。

 ……ん?そうだ、私もラクから戦い方を教えてもらうといいかも!元暗殺者から習えば、暗殺に対してかなり有効そうな気がする。

 ただ、みんなの目を掻い潜って習えるかどうかは難しいんだよねぇ。


 ところで、護衛に付くからラクにナイフをプレゼントしようとしたのだけど……テッドに止められた。

 ラクは、前にテッドがあげた服を翌日からずーーーっと着続けて、着替えさせるのが大変だったらしい。

「あいつ、プレゼント慣れしてないし、お嬢からは止めた方がいい。オレがあげた服でも、小さな穴が空いてるのに気づいたらすげー落ち込んでたからな。お嬢からのナイフなんて、使わずに大事にするだけで終わる。断言する」

 ということで、ガイのお古をあげるという形を取るみたい(ガイはナイフを使わないので、あくまでもフリ)。

 うーむ。まずは食べ物や日用品からプレゼントして、慣れさせていこうかしら。

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