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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ7才

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本好き少女のお茶会

今週は更新めちゃくちゃでごめんなさい~。あれこれ頭を使う件があって、執筆にまで手が回りませんでした…。来週は元通りにしたい。でも、頭を戻すのに少し時間かかってるので遅れる可能性も。

とりあえず、今回、文字数多めです。

 今日は王都のカールトン邸で、ジョージーナさまとジョージーナさまの従姉のケイティさまを招いてお茶会をする。

 ふふふ、私主催のお茶会。同じ年の女の子とのお茶会。はあ、めちゃくちゃ楽しみ~。

 ただ、ディに「なぜ、わたくしが一番じゃないの?!」と怒られそうな気はする……。

 

 屋敷にはティールームがあるので、本来ならそちらでお茶会をするのだけど、私の部屋に二人をお招きした。

「うわぁ!アリッサさま、すごい本の量!」

「えええっ、これ、全部読んでいるんですか?!」

 部屋に入るなり、二人は目を見張った。

 んん~、キラキラした瞳がカワイイ。普段、年上ばかりに囲まれているので、新鮮だ。

「ううん、さすがに全部は読んでないの……。面白そうな本は領の方に置いてあって、そっちは大体、読んでいるんだけど」

「そうなんですかぁ。でも、こんな難しそうな本も読まれるんですね?さすが公爵家……」

 うーん、まあ確かに7才児が読むような本ではないかも。ただ、この世界に娯楽がないからねぇ。仕方なしって感じかなぁ。

「基本的には冒険小説とか恋愛小説の方が好きです。でも、あんまりそういう本って売ってないでしょ?……なので、ケイティさま。ケイティさまの書いたものを読ませてください~。すごく楽しみにしていたんです!」

「う、うう……はずかしいのですが……これです……」

 そう。実は今日、ケイティさまが自作の小説を見せてくれるという約束なのだ。

 すごくない?

 私、絵本の原作を考えたって思われてるけど、あれは前世の知識によるパクりだからね。1から話を作るのとは違うからね。

 7才で話を書けるなんて……。

 ドキドキしながら、私とジョージーナさまは並んで手書きの小説を読み始めた。


 ───結論から言えば、ケイティさまの小説(短編小説)は視点がころころ変わるし、ご都合な展開で、5段階評価なら1か2くらいの出来だった。

 だけど文章の書き方を直して、設定をもう少し整理したら十分、面白く読めそうだ。

 7才で……マジ?

 私みたいに転生者じゃないなら、これは天才じゃない?!

 そして驚いたのは、小説が恋愛物だったこと。

 7才で恋愛物!!

 うん、前世でも、小学校1年生でカレシがどうのこうのとか、バレンタインにチョコ配ってた子、いたけどさぁ。私なんて……高校生でも友チョコだったし、カレシって何?どこに落ちてるの?美味しいの?くらい縁がなかったけどさぁ。

 なんだろう、負けた……って気がする。

「どうですか……?」

 不安そうにケイティさまが聞いてきたので、私はまず褒めちぎった。

 ジョージーナさまも横でうんうん相槌を打つ。

 全体的に粗いけど、内容は悪くないのはホントだからね。その後、書き方をちょこっとアドバイスする(今回、プロットの甘い点にはあまり意見は言わなかった。だって7才だもんね)。

 ケイティさまは真剣にメモを取っている。

「分かりました。アリッサさまのご意見はもっともですね!書きなおしてみます!!」

 やだ、これはもう、ちゃんとした作家さんを探してきて紹介した方がいいかも!


 その後、3人でまったりお茶を楽しみながらいろんな本の話をする。

 それで知ったのだけど……ジョージーナさまもケイティさまも、7才ながら娯楽小説はほぼ網羅していた(なにせ、数が少ないので)。

 私が作った“長靴を履いたネコ”の絵本ファンであるジョージーナさまは、てっきり、大人向けの小説はまだかと思っていたのに。

「そういう大人向けの本も読んでいるのに、あの絵本が面白いって言ってくれるなんて……」

「まあ、アリッサさま!あれはすごい話じゃないですか?!だってネコが主人公ですよ??」

 ジョージーナさまが言えば、ケイティさまも深く頷く。

「二本足で立って話すネコ!その発想に驚きました。これは文学革命です!」

 え……ほ、褒められると心が痛い。だって私の発想じゃない~……。

「わたしの母も感動していました。絵もかわいかったし。なので……ぜひ、アリッサさまも小説を書きましょう!わたしよりももっと、すごい小説が……!!」

 いやいやいや、ムリムリムリ。私に創作能力はないのよぅ。

 仕方ないので、必死に誤魔化した。

 あれだね、もう、絵本とか作らない方がいいかもしんないね。それより、ケイティさまを育て上げよう。

 そもそも私は、新しい話を読みたいのよ。本音を言えばマンガの方が好きだけど、とにかく娯楽本が欲しいのよ。ヒマなときに、一人で気楽に楽しめる娯楽がこの世界には無さすぎる~。ケイティさま、がんばって!

 ちなみに、ケイティさまはお母さまが本好きで、家にたくさん本があるらしい。ケイティさまはその血を継いでいるってことなんだろうね。

 なるほど、文字が読めるようになってすぐに大人向けの恋愛小説なんかを読んでいるから、そういう話を書けるのかな?

 

 さて、ケイティさまの次作の話で盛り上がっていたときだった。

「そういえば、アリッサさま。けっして他では口外しません。無礼を承知でうかがいたいのですが……アルフレッド殿下とお茶会のときはどんな話をされるんですか?作品の参考までに、ほんの少しだけでも、教えてもらえませんか?」

 むぐっ?!

 アル??

「え……いや、別に普通の話を……」

「天気の話で殿下は笑ったりなさらないでしょう?」

 ああ、あれか、私がバーンフォード大公の真似をしてアルを大笑いさせた話……そんなに広まっているのか……。

 話の内容なんて、他で言えるワケがない。令嬢失格なモノマネだもん。それにバーンフォード大公に知られてもヤバい。

「……で、殿下と私だけの秘密です」

 思わず赤くなって答えたら、ケイティさまはジョージーナさまと目を合わせた。二人とも、目の輝きが倍になっている。

 「やっぱりアリッサさまと殿下って……!」

「だと思ったわ!だってあのブレスレット……!!」

 ブレスレット?

 ハッと私は自分の手首を見た。

 この間、アルから貰ったブレスレットが着けられている。心配性なアルが、お守りネックレスだけじゃなくてお守りブレスレットまで作ってくれていたのだ。

 ネックレスとお揃いの青い魔石。一つだけ、金色の魔石が入っていてオシャレだ(ちなみにネックレスは服の下に隠れて外からは見えない)。

「それ、アルフレッド殿下からの贈り物では?」

 不思議。どうして、分かったんだろ?

 でもとりあえず、否定しておかなくちゃ。お茶会の件もある、変な誤解が生まれてしまう。

「い、いえ、違います……」

「え~、ホントですかぁ?!だってそんなキレイな青、殿下以外、考えられませんもん!」

「うんうん、その青は殿下の青ですよね!」

 あ。二人が言ってるのって、もしかして自分の瞳や髪の色のアイテムを恋人や婚約者に贈るってやつ!?

 まあ、確かに、この青い石はアルの瞳の色そっくりだ。ネックレスの青より、こちらの方が似ている。よくこんな魔石があったな~と感心してしまうくらい。

 ……やばい、これはちゃんと否定しないと、噂に拍車が掛かるよ!

 だって、これ、単にアクセサリーを装ったお守りだもん。そういう色恋の意味は絶対、ない。

 もらったときだって甘い雰囲気なんか全然なく、「アリッサは危険に自ら突っ込むからね……これじゃ、気休めくらいだけど」と盛大な溜め息混じりに渡されたもん。

 だけど私の焦りをよそに、ジョージーナさまもケイティさまも興奮状態だ。

「あら、ではアリッサさまがご自分で選ばれたんですか?」

「アリッサさま、アルフレッド殿下のことをそんなに想われているんですね!きゃ~、応援しますぅ」

 ま、待って待って、なんで?!

 アルの贈り物じゃなくて自分の物だった場合でも、周りにはそう取られるの?!

 アル!なんで青にしたのよ~!!

 クマのぬいぐるみの目がキレイって言ったから、青色好きって思ったの?!(いや、好きな色ではあるけれど!)

ネックレスじゃ隠れるから、ブレスレットも作ったアル。

青じゃなきゃ、意味がない~。

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