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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ7才

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クマのぬいぐるみのお礼と……檻?!

更新再開します!

ここからしばらくシリアスパート。毎日更新はちょっとムリそうですが、解決までは休まず火木土更新がんばります。

 とても急に決まったのだけれど、冬至祭前に王城へ行くことになった。

 正式な訪問ではなく、隠者の塔の方だ。アルにたくさん心配を掛けたから、お父さまが直接話をできるよう予定を調整してくれたらしい。

 お守りとぬいぐるみのお礼も言いたかったから、会えるのは嬉しいな。


 アルは会うなりとっても優しい笑顔になって迎えてくれた。

「お姉さんが目覚めて、良かったね」

「うん!……それと、誕生日プレゼントもありがとう!」

「だいぶ前から用意していたんだけど、アナベル嬢の件があったから贈るかどうか悩んでたんだ」

 そっかぁ。いろいろ、気を使わせてしまって申し訳ない~。

「あのね。クマのぬいぐるみ、毎晩、一緒に寝てるんだよ」

 フワフワですっごく抱き心地がいいのよね。ぎゅっとしたら、それだけで安心しちゃう。

 すると何故かアルは頬を少し赤くして「そうなんだ」と頷いた。

 そうそう。もう一つ、クマの件で言っておかないといけないことが。

「それとね。クマの名前、アルから名前をもらってアルフにしたけど、いいかな?」

「え?」

「アルとおんなじ、キレイな青い目をしてたから。……イヤ?」

 アルの瞳は、本当にキレイな青だ。澄んだ秋の空を思わせる。この国に青い瞳の人はいっぱいいるけれど、アルほどキレイな青を私は見たことがない。

 アルフも……クマのぬいぐるみも同じくらいキレイな青だったので、これはもう、アルから名前をもらう以外ない!って思っちゃったんだよね。

「イ、イヤじゃないよ」

 アルの顔がますます赤くなる。

 ……あれ?なんで?私、変なこと言っちゃったかな?

 

 隠者の塔に着いた。

 いつものように中へ入り───その瞬間、カシャンと檻に閉じ込められた。

 えっ?!

 ビックリして、フレーズする。

 檻。巨大な鳥籠みたいなやつ。

 急に現れたような?

 な、なんで??

 私の左右にいたアルとリックも、鳥籠に押されたのだろう、タタラを踏んで驚いた顔をしている。

「ウォーレン!どういうつもりだ?!」

 アルが下に向かって大きな声を上げた。

 ウォーレンさん?これ、ウォーレンさんが?

 しばらくして、階段からウォーレンさんが現れた。青い顔をしている。

「ウォーレン。すぐにアリッサを出すんだ」

「ダ、ダメだよ。アルこそ、彼女から離れるんだ」

 いつもなら声は小さいし何度もどもるのに、ウォーレンさんは普段から考えられないほど鋭い声を出した。アルの顔が険しくなる。

「どういう意味だ?」

「転移陣を使ったから王城へ入れたけど……普通なら、門で弾かれる。彼女は、魔の者と契約してる」

「は?!」

 魔の者と契約?!何、それ!!

 アルが血相を変えて私を見た。

 私は力いっぱい首を振る。

 知らない。

 そんなの、全然知らない!

「……ウォーレン。アリッサには思い当たる節はないようだけど」

「印が付けられているよ。今、目に見えるようにする」

 ウォーレンさんが右手を上げ、何か呟いた。

 じりっ。

 左手の甲に熱が走り、目をやると……赤い変な模様が浮き上がった。

 これ……これが魔の者と契約した印?

 いつ?どこで??

「し、知らない、こんなの……いつの間に……」

「……アリッサに印を付けた魔の者をここへ喚び出せるか、ウォーレン」

「ここへ?」

「ウォーレンの結界内なら、捕獲できるだろう?」

 アルの青い瞳が怖いくらいに冷え冷えしている。今、その視線はウォーレンさんに向いているけれど、もし私にその視線を向けられたら……どうしよう。泣きそうになってきた。私、アルに……嫌われてしまうの……?

「……分かった。アルは少し離れて。念のために護符を渡す」

 ウォーレンさんはごそごそと袖から符を取り出してアルに渡し、彼をそのまま壁際まで押しやってから私の前に来た。

「手を出して」

「…………」

 印の出た左手を檻の外へ出す。

 ウォーレンさんは印の上に人差し指と中指を当て、小さく何かを呟いた。

 チリッ。

 鋭い痛みを感じたと思った瞬間、

「姫さん!」

 真っ青な顔のラクが現れた───。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく読んでます! え!なほどの急展開! せっかく良い方に来てたと思ったのにどうなるのかな?
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