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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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理想の男性……?

「きゃー、つめたーい!」

「痛~!」

 兄さまや姉さま達ときゃあきゃあ言いながら冬神殿の長い参拝廊を渡り(本当はしゃべっちゃダメ)、お祈りを捧げたあと、私達は神殿の貴族用客間で暖炉の火に当たりながら温かいミルクを飲んでいた。お祖父さまはホットワインだ。

 はあ、生き返る。

 ちなみに、庶民の場合は神殿の外で焚き火に当たりながら暖を取る。この世界の身分差は残酷だ。

「ねえ、アリッサ」

 アナベル姉さまが私を覗き込んできた。

「アルフレッド王子は嫌いなの?」

 王城お泊まり会のあと、領に帰ってきた私に姉さま達はあれこれ聞いてきた。しかし私はあの恥ずかしい話を出来るはずもなく、「楽しくなかった」とだけ答えている。 それを、アナベル姉さまは王子のことだと思ったみたいだ。

「きらいっていうか……えーと、おそれおおいんです」

「じゃあ、アリッサの理想の男性ってどんな人?」

 グレイシー姉さまも興味津々といった様子で入ってきた。

 ええ~?5才の子供にそんなことを聞いても意味なくない?うーん、ここは“お父さま”と答えるのが鉄板かしら?

 いや、違うな。お父さまじゃなく、どちらかといえば……

「オリバー兄さまみたいに頭が良くて、セオドア兄さまみたいに強くて、ライアン兄さまみたいにお話が上手な人です!」

 胸を張って言ったら、兄さま達が一斉にハグしてくれた。あ、しまった。お祖父さまが寂しそう。

「アリッサみたいに可愛くて賢い子は、お嫁に行かなくていいよ。ぼく達がずっと守ってあげるからね」

 ライアン兄さまが頭を撫で撫でしてくれる。

 うふふ。

「世界一、かっこよくてステキな兄さまたちがいるから、アリッサは幸せです」

「ええ?世界一って、誰?三人いるよ?」

「三人とも、世界一です!」

「そっかぁ。アリッサも世界一可愛いよ~!!」

「バカ兄……」

 アナベル姉さまが処置無しと両手を上げる。

 私はアナベル姉さまとグレイシー姉さまに飛びついた。

「姉さま達も世界一です!アリッサは、早く姉さまみたいに 美しくて かれんな しゅくじょに なりたいです」

「まあぁぁぁ……!」

 アナベル姉さまもグレイシー姉さまも目を潤ませて、私を抱き締めてくれた。

 はあ。

 美少年、美少女の兄姉に囲まれて愛され、私、本当に幸せだなあ。


 そうそう。

 帰り道、お祖父さまにはこっそり、「本当はお祖父さまみたいな強くて立派な人が理想です」としっかりリップサービスしておいた。

 でも、本音を言えば、お祖父さまはホントに素敵だと思う。ユーモアはあるし、強いし、頭もいい。お祖母さまと仲も良くて、私も結婚するならお祖父さまとお祖母さまみたいな夫婦が理想だ。

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