この世界の四季とか、そういうことについて
王都から南部のカールトン領に戻ってほどなくして、冬至祭が始まった。
冬至祭は、冬の神スーレを奉る祭だ。死と再生を司る冬神にならい、スーレ神殿の冷たい長い廊下を裸足で歩いて参拝する。だからなのか、冬神殿は他の神殿に比べて、参拝廊が倍以上長い。
冷たい廊下を裸足で歩くのがどうして死を意味するのかな?と不思議だったけど、昔は川や湖で沐浴するのが正式だったとか。確かにそれは死にそうなので、裸足で歩く参拝法になって良かったな~って思う。裸足で歩くのも、結構足がキンキンに冷えて大変だからね……。あ、でも赤ちゃんとかは、神殿で足だけ水につけるらしい。
なお、冬至祭から春華祭の間は、普段は王都の魔法学院で寄宿生活をしているオリバー兄さま、セオドア兄様、グレイシー姉さま達もカールトン領に帰ってくるので、楽しみだ。兄姉揃って、冬至祭の神殿へ行く予定。うふふ。
そうそう、この世界の1年について少し説明しておこうかしら。
前世の日本と同じように春夏秋冬の四季がある。カールトン領はたぶん、九州南部くらいの気候。冬でも雪はほぼ降らない。ただ、領の東端に1500mくらい(たぶん)の山が連なっているので、領内でスキーをしようと思えば出来ると思う。
王都の方は、関東かそれよりやや北くらいの気候じゃないかな。夏はカールトン領ほど暑くなく、冬はときどき、少し積もる程度の雪が降る。
1年の始まりは、春。春華祭=新年祭って感じ。前世の地球と似ていて、一月は30日、1年は12ヵ月。分かりやすくていいね。
ちなみに、庶民は春華祭のときに7才だと新人式、15才で成人式を行うんだって。7才の新人式っていうのは、前世の七五三みたいなものなのかしらん?
それと、たま~に閏月はあるようだけど、何年に1回という定期的な形じゃない。星や暦を調べて記録する部署が王宮にあって、そこで決めているみたい。
で、冬の間は貴族は社交界シーズンだ。お父さまやお母さまは冬至祭が終わると王都と領の往復で大忙し。
一方、兄さまや姉さま達はまだ社交界デビューしてないので、大体、領にいる。たまに、学校のお友達関係でお茶会に呼ばれ王都へ行くくらい。でも、社交は面倒なんだって。
確かに、作法はうるさいし、遠回しな言い方はよく分からないし、美味しいものが並んでてもあまり食べれないし、いいこと少ないよね……。
この回は世界観の説明だけになってしまったので、夕方に冬至祭へ行ったアリッサ達の様子をUPします。




