リバーシは、まだまだ特訓が必要だ
水龍家の双子が到着した。
到着早々、珍しくもウキウキした様子のエリオットから「リバーシをしましょう」という提案が出る。その手には、しっかりとリバーシが握られている。
リバーシ。
アリッサに完敗してから、ウィリアムとブランドン相手に僕もかなり練習をした。
ぜひ、アリッサと再戦したい!
……しかし、アリッサもクローディア嬢もリバーシにはさほど興味がないようである。明らかに困惑した顔をし、アリッサはリックを押し出した。
「……リバーシは、リックがすっごく強いので。リックに!」
えええ?アリッサがゲーム開発者なのに?
それとも、開発するためにリバーシをやりすぎて飽きたのだろうか?僕はアリッサに一度は勝ちたかったんだけどなぁ。
まあでも、エリオットとやるのも面白いかも知れない。
ウィリアムがちょっと強すぎるので、僕の実力がどれくらいか、見極めたい。
アリッサの兄君、ライアン殿も参加してくれた。
ウィリアムもウズウズしているので、輪に誘う。
白熱しているうちに、気が付けば火龍公爵まで加わっていた。
それにしても……明らかに火龍公爵は強い。1回だけ、ウィリアムが勝った以外は圧勝だ。
一応、僕もいいところまでいったものの、あと一歩、足りなかった。悔しい。
ちなみにエリオットとは、五分五分といったところか。
うーん、僕もまだまだの腕だな……。
ちなみにアリッサたちは、別室で女子会をしていたらしい。
午後中、ずっとお喋りに興じていたようだ。母上とコーデリア様が2人で延々と話せるのが不思議だったが、やはり女子は長時間のお喋りが楽しいものなのだろうか。
アリッサは僕といるとき、そんなに話しまくる感じじゃない。僕といても、話が盛り上がらなくて退屈だと思っていたら……ショックだなぁ。
───ディナーの席では、火龍家が勢揃いして(コーデリア様は王城なのでいないが)、非常に賑やかになった。
そしてリバーシの勝敗の話から、何故か王城でリバーシ大会を開いてみては?という話題になる。
エリオットが食い付いた。
あまり感情を表に出さないエリオットがこんなに熱くなるなんて、ちょっと意外な気分である。
火龍公爵もリバーシ大会には乗り気のようで、これは……もしかすると王国挙げての催しになるだろうか?
アリッサが「賭けをしてみては?」なんてことも言い出したので、本当に開催したら大変な騒ぎになるかも知れない。でも、アイディアとしては非常に面白いと思う。収益金は教会へ寄附するというのも、素敵だ。
…………とりあえず、帰ったらまたウィリアムと特訓しよう。打倒、火龍公爵!
 




