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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アルフレッド視点2

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今後の相談、そして魔力操作上達のコツ

 アリッサも落ち着いたので、今後の話をする。

 やはりアリッサは、魔力量が高いことを隠す方向を選んだ。マーカス兄上と婚約する選択はしないと思っていたけれど、ホッとする。

 ウォーレンとは事前に、もしアリッサの魔力が高かった場合、それを他に知られないようにする方法はないか、話し合っていた。想定より遥かに高い魔力量だったが、やるだけやってみなければならない。

「魔力抑制装置?」

「そう。魔力が暴走したときに付ける腕輪があるんだ。あれを基に、魔力を抑える道具を作ってみようかと」

「そんな腕輪があるんですね。すごい!」

「た、ただ……き、ききき君の魔力量が……かなり、た、高いから……ちょ、ちょっとむ、難しいかも……しれない……」

 ウォーレンの自信なさげな言葉に、アリッサはブンブンと首を振った。

 アリッサの目が、やる気満々だ。

「てゆーか、いいんですか?この力のことを隠すのにアルやウォーレンさんが関わったら、バレたときが……」

「大丈夫。全力で隠す」

 だって、それ以外に僕がアリッサの隣にいられる方法はないのだから。

 アリッサはまだ気にした様子を見せたが、「気にしなくていい」と断言したら……ほんの少しだけ、ホッとした顔で笑顔になった。

 強気なふりをしているけれど、本当は不安でいっぱいなんだろうなあ。

 

 魔力抑制装置とは別に、アリッサの魔力瘤も治さなければいけない。このままでは、魔法が暴発する恐れもあるからだ。

「で、ででででも……き、君は……ま、魔力の……つ、使い方がすごく……む、無駄がなくて、す、すごい……ね……」

 ウォーレンが感心したように言う。

 そう、先ほどの凄まじい火炎。あれは、魔力瘤があるなんて思えない規模の炎だった。

「太極拳……じゃなくて。えと、自分の身体の中を、血液みたいに魔力が巡るイメージを持って練習したから……かも」

「身体を巡るイメージ?」

「うん。最初は上手くいかなかったけど、毎日くりかえしていたら、どんどんスムーズになっていって」

 へえ。僕も試してみようかな……?


 アリッサを少し待たせて、火龍公爵に今日の結果を話しに行く。

「……魔力量がウォーレン殿より多い?!」

 ぎょっとした顔で公爵が僕を見る。

「そんな。アリッサは、生まれたときの測定では、一般的な貴族子女のレベルでしたよ。あのレベルから、ウォーレン殿を超える魔力量になるのは、どう鍛えても有り得ない!」

「そうですね。僕もそう思います。でも、現実は現実ですから」

 はああ……と公爵は頭を垂れた。

「あの子はいろいろ想定外だと思っていましたが、ここまでとは。……陛下に報告されますか?」

 アリッサと同じ金の瞳が、深い悲しみを湛えながらこちらを向く。

 四龍の一人として、彼は己の役割をきちんと心得ている。アリッサをとても大事に想っていても、取るべき道は見誤らない。

 しかし僕は首を振った。

「僕はアリッサが国の脅威になるとは思えない。そして、国の道具にされるのも嫌です。だから……隠す方向で行こうと考えています」

「よろしいのですか。殿下の進退にも関わりますぞ」

「承知の上です」

 迷わずに答えたら、公爵は僕の手を握って、深く頭を下げた。

「自分の役目は重々分かっているのですが……あれに隷属の首輪を付けさせ、飼い殺しにするなど、親としては耐えられない。……有り難うございます、殿下。守る道を選んでくださって」

「まだ、ちゃんと守れるか分かりませんよ。周囲に気付かれないよう、魔力を抑えることがどれだけ出来るか……学院に入学するまでの大きな課題です」

「それでも。何もしないよりマシです」

 良かった。四龍の役割を守るため、アリッサの件は公にする!と言われずに済んで。

 さあ、ここから魔力抑制装置の開発に力を入れていかないと!

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