表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/351

まずは礼儀作法から始めよう

 さて、まずは、基本。屋敷の図書室へ行ってみた。

 ……字は、全然読めなかった。見たことない字で、どう読むかさっぱり分からない。これは、一から勉強する以外、どうしようもない。

 チートにすらすら読めるかと思ってたのに!ちぇっ。

 次に、厨房へ行ってみた。

 手伝いをしたいと言ったら、コック達に「お嬢様にそんなことはさせられません!」と言われ、すぐに厨房を追い出されてしまった。

 まったくもう。全然、思うように進まないじゃない。

 これじゃ、剣術を習いたいって言っても、ダメかなあ。身を守る手段も手に入れておきたいんだけど。

 そうそう、あと、平民落ちに備えて町にも行っておきたいよね。でも、さすがに4才の子供一人では……危ないよなー。

 次の手をどうするか悩んでいたら、お姉さま達がやってきた。

 アナベル姉さま(7才)と、グレイシー姉さま(13才)。

 二人とも、当然ながら可愛い。

 あ、そういえば、カールトン家は、子だくさんだ。(ちなみに、我が家は公爵家である)

 他に、お兄さまが三人いる。長男オリバー(14才)、次男セオドア(11才)、三男ライアン(もうすぐ9才)。こちらも言うまでもなく、美少年揃い。私はショタじゃないので、もう少し育った姿を見るのが楽しみ。実兄なのは、残念なとこだけど。

 でもって全員、年の離れた妹の私をでろでろに甘やかしている。もちろん、父母に祖父母もだ。将来、悪役令嬢になるのも当然といえるだろう。

「アリッサ。なんだか急にいろいろ始めたみたいだけど、どうしたの?」

 グレイシー姉さまが顔を覗きこんできた。わたしは、首を振る。

「何も始めてないです、姉さま。わたし、将来、ダメな女にならないために、今からいっぱい勉強しなくちゃいけないんです」

 姉さまは、目を白黒させた。突然の変わり様にビックリしたんだと思う。だけど、ここで年相応のフリをしてても、時間を無駄にするだけだ。4才で前世の記憶を思い出した幸運は、しっかり使わないといけない。

「アリッサがダメな女になるわけないわ、こんなに可愛いのに」

「可愛いで許されるのは、小さい間だけです。このまま育って、痛い大人になったら、どう責任取ってくれるんですか?」

「ア、アリッサ……?」

「わたしも、姉さまと一緒に礼儀や作法の勉強をさせてください」

「う、うん、じゃあ、一緒にやりましょう……???」

 おお、上手くいった!

 よし。一歩前進!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ