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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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早く目覚めてね、姉さま

 そのままアルの部屋に泊まるのかと思ったけど、お父さまは私も姉さまも家に連れ帰る!と宣言して、真夜中にも関わらず王城を後にした。

 迎えに来てくれたオリバー兄さまが私を抱っこし、お父さまはアナベル姉さまを抱えて運ぶ。

 なおこの件は、パーティー参加者には全く悟られなかったものの(ただし、帰りに従者や護衛も含めて全員に身体検査を行ったそうだ)、さすがに他の公爵家───水龍、地龍、風龍には知らされ、陛下と近衛騎士団のオーウェン団長も交えて緊急会議が行われているらしい。

 お父さま、そちらに参加しなくていいのかしら。

 でも、怒り心頭ぶりがあまりにスゴいので、陛下も頭を冷やさせるために一度、退城させたのかも知れない。ライアン兄さまなんて、お父さまに近寄れないもの。


 ───屋敷に帰ったら、お母さまもグレイシー姉さまもセオドア兄さまも真っ青な顔で待っていた。

「アリッサは大丈夫か?」

「はい、セオドア兄さま」

 オリバー兄さまにまだしがみつている私に、セオドア兄さまが心配そうに頭を撫でてくれる。

 あ、ダメだ。また泣きそう。

 アルのおかげでちょっと浮上したのに。

「このまま、領の方へ行く。コーデリア、グレイシー。2人もしばらくは領にいなさい」

「ええ。……だいたい、こんな状態の娘を置いておけるわけがないでしょう。行くに決まってるじゃない」

 お母さまはアナベル姉さまの白い顔を不安げに見つめる。

 ああ、姉さま……早く目覚めて欲しいな。

 セオドア兄さまが私から離れて、お父さまの方へ行った。

「父上。アナベルは僕が運びます。父上は王城へ戻った方がいいでしょう」

「……いや、私が連れて行く」

「父上……」

 強張った顔のままお父さまは言い張り、転移陣の部屋へと向かう。

 セオドア兄さまは溜め息をついて、オリバー兄さまと顔を見合わせた。

 もしかして去年、私がモラ湖で襲われたときも、お父さまってこんな感じだったのかしら?


 領に着けば、お祖父さまとお祖母さまが待っていた。

 お祖父さまは、問答無用でお父さまからアナベル姉さまを奪う。

「馬鹿もん!さっさと王城へ戻れ!今、一番優先すべきことが何か、わかっとるじゃろうが!」

 ……お祖父さま、強い。

 お父さまは不満そうに口を歪めたものの、言い返しはせずに素直に再び転移陣に乗った。

 私はようやくオリバー兄さまから下ろしてもらい、お祖父さまのそばに行く。

「アナベル姉さまと一緒の部屋でもいい?」

「グレイシーも一緒に、今日は姉妹揃って休みなさい。アナベルも安心するじゃろう」

「ありがとう、お祖父さま」

 大丈夫。

 明日には。

 きっと。

 アナベル姉さまが「おはよう」って普通に起きて、「あら?どうしてアリッサとグレイシー姉さまが横にいるの?」って驚くから。そしたら、「姉さま大好き!」って思いっきり抱きつくんだから。

アナベルは目覚めていませんが、通常更新(火木土)に戻ります…。

でも、来週もたぶん、ちょっと大変です。

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