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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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そろそろ雑貨店が新規オープンするよ~

 夏至祭のあとに、とうとうカールトン商会の雑貨店がオープンする。

 カールトン商会といえば世間的には輸入食料品というイメージなので、雑貨店は違う名前を!という話になり、それがこのところオリバー兄さまと私の頭を一番悩ませている問題だ。

 今日も2人でああでもない、こうでもないと話していたら、ブルーノとともに執事のハドリーが入ってきた。

「アリッサお嬢様!これはとても便利です!」

「良かった。ハドリーが誉めてくれるなら安心ね」

「ああ、お嬢様が……あと30年早く生まれておられれば……私はどれほど楽だったでしょう……!」

 もう、大袈裟だなあ。

 ハドリーが手に握り締めているのは、ホッチキスだ。芸がないけど“紙綴じ器”という商品名を付けている。この他に穴あけパンチ(穴あけ器)、リングファイル(書類綴じ)、インデックス用紙(見出し用紙)などなど、この数か月で事務仕事に役立ちそうな文具をたくさん作った(正しくは作ってもらった)。

 ハドリーには実際に仕事で使用してもらい、感想を教えてもらおうとモニターをお願いしたのだけど……新商品を渡すたびに私への評価が爆上がり中だ。領地関係の書類管理がかなり楽になったらしい。

「紙に小さい点の穴がずらっと開いているだけで、メモが簡単に綺麗に切り離せたり、もう、お嬢様の商品はどれもこれも素晴らしいです!」

「ありがとう」

「雑貨店が開いたら、王国で事務革命が起こりますね。今年は記念の年になりますよ」

 起こるかなあ?

 私としては、前の世界では当たり前にあった文房具ばかりなので、感動は薄い。

 それよりも、あと、付箋とシールを作りたい。だけど、弱めの糊とか剥離紙がうまく作れず、手間取っている。インデックス用紙より、インデックスのシールの方が使いやすいかと思うんだけど。

 ま、一気に全部はムリかなあ。

 クリアファイルも便利でいいんだけど、難しいしね。

「それで、店の名前は決まりました?」

 ブルーノが期待に満ちた目で兄さまと私を見る。それを聞きに来たらしい。

 兄さまは溜め息をついた。

「あまり奇をてらっても良くないし、いい名前が思い付かなくてね……」

「そうですか……」

「もう、兄さま担当のお店なんだから、オリバー商会じゃダメですか?」

「ほとんどの商品がアリッサ考案だから駄目」

 うう~。

 かといって、私の名前は表に出さないのがお父さまの方針だ。私も出して欲しくはない。

 えーと、文具、書類、紙、ペン……文字。あ、文字!

「じゃ、文字をこの世界にもたらしたアルダー神からとって、“アルダー・ル”ってどうですか?ルは古語で子供って意味だったと思うんですけど」

「アルダー・ル雑貨店?いや、この場合は文具店の方がいいかな?」

「アルダー・ル雑貨店で構わないのではないですか?貴族の商会は家名の店名が多いので、目新しくていいですね」

 よ、良かった。これで決まりそう。

「あ、ブルーノ。お店のマークは考えてあるの。これ、使ってね」

 火を吐く竜が本とペンを持つ図だ。本より書類を持たせたかったけど、図案化したときに本の方が分かりやすかったのよね。

「ほう!火を吐く竜ですか」

「カールトンの名前がない代わりに、店名の下か横にこれを付けようと思って。火龍家だとすぐ分かりそうでしょ?紙を取り扱う店の紋章にしては、物騒な図だけど」

「ふふ、確かにそうですね。でも、良いと思います。では、これで看板屋に発注します」

 はあ、これで大体、片付いたぁ!

 私は安心して大きな伸びをしたが、兄さまの方は急いで立ち上がった。

「その前に父上に店の名について、これでいいか伺ってくるよ」

「いえ、必要ありません!」

 ブルーノが手を上げて兄さまを止めた。

「オリバー様に任せると仰った時点で、どのような件もマクシミリアン様の確認は必要ありません」

「え?じゃあ、店内の配置や内装の件は……」

「オリバー様とアリッサ様が決めたものを、そのまま実行しております。マクシミリアン様は、一切、進行をご存知ありません」

 知らなかった……。

 私と兄さまは顔を見合わせた。てっきり、ブルーノに渡せばお父さまが目を通すものとばかり思っていたのだ。

「マクシミリアン様は、開店日を非常に楽しみにしておられますよ!私も全力を尽くしますので、あと少し、頑張りましょう!」

 うわ~、なんか肩がずしっと重くなった気がする~!

気が付けば、総合ptが7000ptを突破!

ブクマや評価、ありがとうございます~。

こんなに長くて、飽きたりしません?と心配になったり。

一方で、私も飽きずによく書けるものだと内心で感心していたり……。

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