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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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スイーツを我慢しつつ仕事します!

 春華祭でうちの家族が忙しくしている間、私はのほほ~んと───過ごしているヒマはなかった。

 カールトン商会王都店の新店舗開店に向けて、最終調整をしていたからだ。てゆーか、お父さま、春華祭に出なくていいっていうのは、もしかして、こっちに私を回すためでは?って疑いたくなるね。最終調整、ほぼ丸投げされてるんですけど?(まあ、元々、お父さまは商会はブルーノ任せにしてるけど)

「あああ、美味しそうな匂い~……」

「そうですね、美味しそうですね」

「いやぁ、持っていかないで、マシュー!」

「目の毒だし、鼻の毒でしょう、これ」

「た、食べれないんだから匂いくらい、いいじゃない……」

「その方がどう考えてもゴーモンだって、お嬢」

 テッドに羽交い締めにされながら、マシューを見送る。

 あ~う~……。

 今、何をしているのかといえば。

 店舗スタッフに喫茶メニューの試食会をしているのだ。スイーツメニューが多いので、潔斎中の私は食べられない。

 6才の子供に仕事させて、おやつはダメなんてさ……ヒドイよね?しくしく。

「オレも付き合ってガマンしてやるから。ほら、商品の陳列はどうするんだ?」

 私に見られていると食べにくいだろうスタッフを気遣ってか、テッドが販売スペースに私を引っ張っていく。

「……テッドは食べたらいいよ。食事のとき、肉も気にせず食べて」

 目線はまだ並んでいるスイーツに向けたまま、ぶつぶつとテッドに言う。

 テッドはきょとんとした顔をした。

「3日くらい、お菓子や肉がなくてもどうってことないだろ?パンや野菜は食べれるんだし」

 マリー・アントワネットか。いや、ちょっと違うか。

「だけど、テッドの場合は体を作るのに肉が必要なんだから」

「まあ、今はしっかり食うのも仕事のうちらしいな。でもそのうち、飯抜きの修行とかもあるらしいから。練習、練習」

「え?ご飯を抜く修行するの?!」

「護衛は場合によったら飯を食ってるヒマはないからだってさ。寝ない訓練もあるって聞いてる」

「えええ~」

 護衛任務って過酷!そんな修行があるの?

 なんか、護衛の皆さんに申し訳なくなってきた……。

「でもまあ、お嬢が変なことに巻きこまれなきゃ、訓練だけで終わるしな」

「……変なことって何よ。わたし、別に変なことに自分から突っ込んだことないからね」

「えぇ?!」

 まったく、もう。

 ちなみに今日は、メアリーとテッドの2人護衛だ。王都にいるのに、どれだけ厳重に守る気なのか……。

 私はそんなに危険物!?って感じじゃない?

 ま、いいや。今は仕事、仕事。

 春華祭、アナベル姉さまの誕生日パーティーが終われば、新店舗開店だもんね。急がないと!

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