春華祭の神事には不参加となりました
アルの地雷の件は、テッドが解答をくれた。
「お嬢は殿下と友達なんだろ?友達に“関係ない”とか言われたら悲しくね?」
「そ、そうか、確かにそれはショック!」
なるほどぉ、すごく納得!
ただ───リックの口調ではそれだけではない気がする。
するんだけど。
…………実は、ね。私もさ、そんなにお馬鹿ではないからさ。状況と言葉から察すると、もしかするとアルって私のこと好きだったりするのかな?とか、思わないでもない。
でもさ。
今までアルから直接、婚約の話をされたことがないしさ(お母さまからは言われるけど)。
私の早とちりだったら……恥ずかしいじゃん?超自意識過剰だよね?
私の中身が成人だから、ついそう考えちゃうだけじゃない?
だって、アルは7才だもん。前世だったら友達とゲームに熱中したり、イタズラで盛り上がったりしてる年代だよ。え~と、小学校の1年生か2年生くらいになるのかな?
いくら大人っぽいところがあるとはいえ、一緒に過ごすことが増えた今……やっぱり普通に年相応の少年だなーって感じるし。そういう、恋とか嫉妬とか……7才で?有り得ないよねぇ?
これはテッドの言う通り、友達なのに関係ないって言ったことに腹を立てたが正解だ。うん。
春華祭の時期になった。
去年ぶっ倒れた私は、今年、不参加に決まった。お父さまが「去年倒れたのは、恐らく、自己流で魔法を使っていた弊害だろう。きちんと制御できるようになるまで、神事は危なくて参加させられん」だって。
ウォーレンさんにも、止めておいた方がいいと言われた。
あ~あ、春の神事はすごく重要らしいのに、参加できないって悲しいね……火龍家の一員だというのに。
とはいえ、潔斎の方はしなくてはならないらしい。
肉、おやつ無し。ちぇっ。どうせなら、潔斎も免除して欲しかったわ。
なお、この春華祭の潔斎のせいで、急いで開発がしたいマカロンにも取り掛かれない。
新商品の開発であって、おやつではない、という言い訳はお父さまに通じなかった。ジョンもガッカリしてるが、お父さまが駄目という以上、仕方がない。
実は春華祭のすぐあとに、アナベル姉さまの10才の誕生日パーティーがあるのだ。
お菓子好きな姉さまのために、サプライズプレゼントにしたかったんだよね~。でも、時間が無さすぎてムリかも。
ちなみに、姉さまの誕生日はまだ1月ほど先なんだけど、この春から学院へ入学し寮住まいとなるため、前倒しでパーティーをするのだ。
うう~、とうとう、カールトン領に私1人になっちゃう。寂しいなぁ。




