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王城へ呼び出されました…

 気付けば、私が前世を思い出して1年が過ぎていた。早いものだ。

 そして、何故か王城から招待状が来た。いや、お母さまが招待状と言っただけで、実は召喚状じゃなかろうか。あれから何も聞かないけど、王子のケガが悪化してて、やはりあの不敬な娘に厳罰を!って話になったんじゃないの?!

 てワケで、ガクブルな状態で王城へ。

 丘の上の王城は、堅牢かつ煌らびやかだ。

 ずらっと並んだ衛兵の間を抜けて中に入ると、中はより一層、豪華だった。尖塔の多い砂色の城は、壁にも彫刻がびっしり。門から城までの石畳は、色違いで複雑な幾何学模様を描いている。

 さらに城の中は、天井が高くて壁一面に絵や彫刻があり、金の飾りが各所についていて、いやもう、どんだけ金が掛かってんの!?ってな感想しか出ない。

 この調子じゃ、謁見の間なんて目が潰れるんじゃないかと思っていたけど、案内されたのはこぢんまりとした広間だった。それでも、前世の我が家が余裕ですっぽり入る大きさだけどね。

「ああ、アリッサ。お会いしたかったわ」

 迎えてくれたのは、妖艶という言葉の似合いそうな美女だった。深い緑の髪は豊かに波打ち、神秘的な紫の瞳が優しげに細められている。

……イライザ王妃。

 隣国フランドールから嫁いできたアルフレッド王子のお母上だ。


 うちの可愛い息子をよくも傷つけたわね!と怒られるかと思いきや、王妃はご機嫌で私と向かい合っていた。あれかしら。男の子はワンパクな方がいい!っていう教育方針なのかしら。

 今は、広間からサンルームに移動している。目の前には、色とりどりのお菓子と紅茶。まさかの王妃樣と二人で、午後のお茶タイムである。

「あの気難しい子が、すっかり貴女のことを気に入ったみたいなの。人に関心がないんじゃないかと心配していたから、安心いたしました」

 うふふと美しい笑みを惜しみなく私に向けてくれる。

 ……にしても。気に入った?私を?

 カエルでビビらされ、木登りでケガをさせられたのに?王子、一体どんな性癖……。ちょっと変態さんだったら、どうしよう。

「これからも、どうぞあの子をよろしくね」

 あれ?ちょっと待って。

 やっぱり王子と婚約なワケ?


 その日、私は王城に泊まることになった。

 えええ?お母さまと王妃さまがすごく仲が良いとは知ってたけど、娘の私が一人で王城にお泊まりって何故……??

 さらには、王妃と王子の三人で夕食。

 慣れない場所で高貴な人に囲まれる緊張感のおかげで、食べたものの味も、会話の中身もほとんど覚えてないわ……。

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