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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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男はやはり筋肉……?

リフレッシュしました~!

本日より再開します。今回は少々文字数多めです。

(来週から通常通り火木土更新)

 アルと一緒に王都のカールトン邸へ。アルにも専属の護衛の人がいて、ちゃんと付いてきている。

 あれ?そういえば雰囲気が違うから気付かなかったけど、前に商会へ一緒に来てなかったっけ?ウィリアムという名前で従兄だと紹介された覚えが……。そういう設定にしてたのかなあ?

 

 お父さまも含めて、みんなでこそこそと人目をはばかりつつ移動するのは、ちょっと楽しい。

 ただ、帰りは馬車に乗る人数が多くなったので、私はお父さまの膝の上になった。これはすっごく恥ずかしかった。だけどお父さまは私が嫌がるから余計に面白いのだろう、ものすごーくご機嫌だ。

「アリッサはオリバーやセオドアにはよく抱っこされているけど、私には近寄らないからねえ。たまには、こういう触れ合いも良いな」

「…………良くない」

 周りの生暖かい目がイヤだぁぁぁ。

 そんななか、リックはアルの護衛の人ともう打ち解けて、護衛のコツ?を聴いていた。逃亡をどう阻止するかとか言ってるのが聞こえたんだけど、アルも逃亡したりするんだろうか。意外……。


 屋敷に付いて、アルを私の部屋に案内する。

「本だらけだ……」

 アルが驚いたように壁の一面を眺めた。うん、私の部屋ってあまり女の子らしくないと思う。だけど。

「壁一面の本棚って憧れだったから……」

 といっても、前世の話なんだけどね。しかも、ほぼ漫画で埋め尽くしたかったんだっけ……。

 今世でそれは無理だから、難しい専門書半分に娯楽本が半分並んでいる。私が本好きらしいと勝手に思い込んでいる本屋がせっせと新本を納品してくるので、いつの間にか王都の部屋はこんな有り様になってしまったのだ。まあ、私も否定しないからだけど。

 で、この中から、軽く目を通して気に入ったものを領の方へ。おかげで領の方は、もっとすごい眺めになっている。もっとも、この世界の本は背表紙が茶色や黒色がほとんどなので統一感があるのもいいよね。

 ちなみに領の本棚は、最下段が扉付きだ。そこに前後二重にして魔術書を隠していたのだけど……お父さまにバレて以降は堂々と収集して並べることにした。今後、魔力量を減らす研究をするんだからいいよね~。

「あ、そうだ、アル!リックの弟のテッドも紹介するね」

「うん、会ってみたかったんだ」

 リックにテッドを呼んできてもらう。

 テッドはすぐに来て、元気いっぱいに挨拶した。

「テッドです!第二王子殿下とお会いできて光栄です!!」

「もっと力を抜いてくれていいよ」

「オレ……あ、私はまだ礼儀がなってなくて失礼がいっぱいあるので……」

「アリッサと同じように接してくれて構わない」

「えっ」

 困ったようにテッドがこちらを見た。

 ううーん……リックは大丈夫だけどテッドはどうだろう?

「ま、まあ、ほどほどに……?」

「ほどほど……」

 テッドは眉を寄せて首を傾げる。

 う~ん、ムリっぽい気がする~。

 アルはテッドをしげしげと眺めた。

「リックと双子みたいに見えるね。僕と同じ年だと聞いていたけど、かなり背が高いのかな」

「たぶん、同年代の中ではかなり高い方でしょうね」

 これはリックが答えた。苦々しい口調だ。

 リックもここ1年でかなり伸びたのに、テッドの成長率の方が早いのだ。どうやら悔しいらしい。

 テッドがニヤリと笑う。

「将来、兄貴を見下ろすからな」

 ムッとした顔でリックが弟を睨む。……ホントにもう、くだらない争いをしてるんだから。

 とはいえ、本当にテッドは大きくなりそうな気がする。ついでに筋肉隆々にはならないといいなぁ。圧迫感のある護衛はイヤだぁ。

 アルも、テッドの筋肉が気になるらしい。どんな訓練をしているのかも聞き始めた。

「まだ身体強化が使いこなせないんで、もっぱら筋トレっす」

「僕も筋トレはしているけど、あまり筋肉がつかないんだ」

「そうなんすか?」

「あ、毎日筋トレするのは良くないみたいだよー。丸1日か2日休んだ方が効果的なんだって」

 アルが自分の腕を見て悲しそうなので、つい、横から口を出した。前世で従兄が一時期筋トレにハマっていた。1か月も続かなかったけど、そのときに散々聞かされた豆知識はちょっとだけ覚えているのだ。

「あと、運動する少し前に消化のいい炭水化物……えーと、お握りやうどんはないから……オートミール?とかを軽く食べておいて、運動後にお肉やお魚を食べると良かったと思う」

「お嬢、それもっと早く教えてくれよ」

 アル以上にテッドが食い付いた。……いや、だからテッドは今から筋肉ガンガンにつけなくていいってば。

 アルも苦笑する。

「テッドはもう充分、筋肉がついているみたいだけど」

「あ、オレの腹筋、見てみます?」

 嬉しそうに笑い、ペロンとテッドがお腹を出した。

 ひゃあっ!

「ちょっと、テッド!さすがにレディの前でそれはないわ!」

「は?レディ?どこに?」

「……目ん玉、洗おうか?よく見えるように」

 思わず低い声でそう言って、ハッと我に返った。しまった、これはマズイ。

 しかし、アルはきょとんとしたあと、「あっはははは……っ!」お腹を抱えて笑い始めた。

「アル……今のは……」

「アリッサは友達の前だと、そんななんだね。僕もアリッサとそんな風に言い合えるよう、がんばるよ」

 テッドが“王子、いいヤツだな!”って目でこちらを見る。

 いや、これはダメ。アルがいくら構わないといっても砕けすぎた。私だって公爵令嬢なのだ。そこそこ慎みを持たなくちゃいけないのに~!

馬車の中→アリッサ、アルフレッド、リック、ウィリアム、火龍公爵、火龍公爵の護衛の計6人が乗ってます。

大人4人乗りの馬車のイメージ。

アルとリックがまだ子供なので、この人数でも乗れました。アリッサも、たぶん膝の上じゃなくても大丈夫そうなんですが、実は以前からずっとアリッサを抱っこしたかった父(笑。


※ウィリアムはたびたびアルの護衛に付いていてアリッサと会っているんですが、常に影を薄くしていたため、今回初めて“従兄のウィリアム”(21話:うーん、悪徳商人道を極めようかしら)だと気付きました。

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