表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

144/370

じゃがいも、バンザイ

「今日は何を作るんですか」

 厨房に行ったら、ウキウキした顔のジョンに迎えられた。

「……楽しそうだね、ジョン」

「それはもう。料理人にとって新しい味を知るのは、この上ない喜びです」

 そっか~。

 私は何度も試食してると途中で飽きちゃうんだけど、ジョンみたいに食べることに人生を賭けている人がいると助かるなあ。

 さて、今日は喫茶メニュー開発だ。

 今日はマシューもリックもおらず、ジョンと2人きり。……と思っていたら、アナベル姉さまが来た。

 姉さまも新しい食べ物に興味がある人なのね。

「で、まずは何をするの?」

 髪を1つにまとめ、エプロンまでして張り切っている。

「えーと、喫茶メニューにするかどうかは置いておいて、鉄板メニューを作りたいと思いまーす」

「鉄板?」

 そう。異世界転生でよくあるメニュー。

 “ポテトチップス”。

 せっかくだからフライドポテト(それともフレンチフライって言うんだっけ?)も作っちゃおう。私は細いマクド○ルドタイプが好きなんだけど、ケンタッ○ー的な太めのタイプも作ろうかな?

 私やアナベル姉さまの技術ではポテトチップス用にじゃがいもを薄く切るのは厳しい。こちらはジョンに頑張ってもらう。

 代わりに、姉さまとはフライドポテト用のじゃがいもを切った。

「それで、これをどうするんですか?」

 わくわくとした興奮が隠せないジョンが聞いてくる。ぽっちゃりとでっかいジョンが興奮して迫ってくると、押し潰されそうだ。

「水気をしっかり切って、全部、油で揚げるよ。揚げたら、塩で味付け」

「え?全部、同じなの?」

 姉さまが驚く。

「えーと…たぶん、フライドポテトの方は小麦粉を振ると思う。ただ厚みの問題もあるから、同じようには揚げられないかなぁ。あ、そうだ。じゃがいもって、蒸かしたじゃがバターなんかも美味しいから、また今度……」

「それも作りましょう!」

 食い気味でジョンに言われた。

「えっ、じゃがいもばっかり……お腹いっぱいになるじゃん」

「大丈夫です!」

 えええ、ジョンは大丈夫でも私は大丈夫じゃない……。

 しかし、ジョンの熱意に押されてじゃがバターの説明もする。これ、料理に入るのかなあ??


 じゃがいもの他、さつまいもや人参、かぼちゃなども薄くスライスして揚げた。実は前世で野菜チップスって食べたことないんだけど、まあ、売ってたから美味しいんだろう。

 出来上がった品々を3人で食べる。

「いやん、フライドポテト、美味しいわぁ!」

「これは良いツマミですね~。旦那様が喜びそうです」

 おや、ポテチよりフライドポテトの方が評価が高い。んん~?ポテチが受けると思ったんだけどな~。

 しかし、姉さまは野菜チップスを丁寧に食べ比べて「うん、じゃがいもが一番いいわ」と宣言した。

「これは革命的食べ物ね。食べ出したら止まらない」

 ジョンも頷いている。

 んふ。良かった。

 やっぱ美味しいよね~。


 次に取り掛かったのは、ドーナツ。

 揚げ物で思い付いたスイーツだ。

 小麦粉と卵と砂糖、あとはたぶん少し牛乳や溶かしバターを入れるんじゃないかしらん。ベーキングパウダーはなくてもいける……と思うんだけど。

「……で、分量は分からないのですね」

「うん、ゴメン」

 材料が分かってるだけでも、私にしては快挙だもーん。

 ジョンが生地をこねながら、ちょうどいい塩梅を探す。

 一度目はかなり固かった。

 三度目でまあまあ、いい感じに。早い。すごい、ジョン!

「コーヒーに合いそうじゃない?」

 私の言葉に、ジョンも姉さまもうんうん頷いてくれた。

 普通に砂糖をまぶすだけもいいけど、ちょっとアイシングしたのを掛けて、甘さを濃くしてもいいよね~。

「はああ、揚げ料理はなんとも奥が深いですねえ」

 ジョンがポテチとドーナツを交互に食べながら、幸せそうに言う。

 うん、揚げ物は美味しいけどさ……甘い・しょっぱいの無限ループはヤバいよ、ジョンの健康が心配になるわ。あとで一緒にジョギングした方がいいかも?

 でもね~、私にはまだまだ作って欲しい揚げ物があるのよね~。

「カラアゲとかトンカツとか天ぷら……」

 ぽそっと小さく呟いたら、ジョンの目がギランと光った。

 しまった。

 小出しにしていかないと、マジでジョンの健康危機!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ