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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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縛られ方を考える(アブナイ意味ではなく)

 屋敷から出ちゃいけない上に、魔法の訓練禁止を言い渡されてしまったので、少し時間を持て余すようになってしまった。

 魔法訓練は、わりと私の1日で大きな割合を占めていたらしい。

 仕方ないので、テッドの鍛練に加わらせてもらうことにした。

「いやいやいや、お嬢を鍛えてどーすんだよ!オレがお嬢を守るんだから、お嬢はちゃんとお嬢サマらしくなる訓練だろ」

「すでにちゃんとお嬢様よ!失礼ね~」

 テッドの師であるガイも困ったように頭をかく。

「アリッサお嬢様。テッドの言う通りっすよ。俺のような戦い方はお嬢様に教えられねぇ」

 ガイは、元傭兵だ。32か、33才だと聞いた覚えがある。隊商の護衛なども経験があり、テッドと同じく身体強化で戦うタイプらしい。短い水色の髪、濃紺の瞳、左のこめかみには大きな傷跡がある強面の男だ。

 筋骨隆々で近寄りがたい雰囲気はあるが、実は甘党で子供好きな気の良い人である。

 私はガイを見上げた。

「実際に拐われちゃったから、もうちょっと実践的な身の守り方を覚えたいの。ラモン先生は護身術というより基礎体力強化メニューが多いんだもの」

 私に護身術を教えてくれるラモン先生は、お爺ちゃん先生だ。

 一応、掴まれたときにひじ打ちで抜け出す方法とか脛を蹴飛ばすとか教えてくれている。だけど、前世で痴漢に襲われたときなら役立っても、今世での殺すことを躊躇わない人相手では、それだけでは足りないと思うのだ。

「うーん、お嬢様の言いたいことは分かるんだけどなぁ……あんま鍛えすぎたら、ドレス着ても似合わない体形にならないっすか?」

「筋肉ムキムキになるつもりはないよぉ!捕まったときに上手く逃げられるよう、ちょこっと敵と戦えるようになりたいの」

「……なるほど」

「あと、縄の抜け方とか」

「縄?」

「関節を外して縄抜けとか出来ない?」

 ガイは顎の無精髭を撫でた。

「出来るやつもいるらしいが、普通はムリっすね~」

「そうなの?……縛られるときに工夫すれば、抜け出しやすいって聞いたこともあるんだけど」

「マジで?」

 驚いたように返されたので、前世の記憶を必死に探ってみる。

 えーと……えーと……

「たしか、上半身を縛られるとき、息をいっぱい吸って肺を広げておくの。そうしておいたら、息を吐けば縄に緩みが出るでしょ?あと、腕もなんかあったはずなんだよねー……手首の内側を合わせるんじゃなく、横に合わせて縛られるんだっけ??」

 もっとも私は気を失ってるときに縛られたから、意味ないんだけどさ。

 首を捻って考えていたら、テッドが目を輝かせた。

「スゲー、それ、めっちゃ役立ちそうじゃん!試してみようぜ!」

 ───ということで、ガイと私はテッドに縛ってもらうことにした。

「師匠~、縛られるときに、そんな胸を張ってたらオカシイって」

「うーん、抵抗は見せつつ胸いっぱいに息を吸うって難しくねぇか?」

「テッド~、ちょっとキツく縛りすぎ~。手、痛いよー」

 私は手首を、ガイは上半身を縛ってもらう。二人して縄をなんとか弛ませようともがいていたら、ちょうどそこへ魔法訓練が終わったリックが現れた。手に持っていた剣を落とし、真っ青になって叫ぶ。

「テッド……お前、何やってんだぁ!!!」

「あ、兄貴、これは……その……」

 あら~、えらいとこ見られちゃったわ。てへ。

その後、リックも一緒になって縛られます(笑。

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