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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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アルを巻き込んでいいのかしらん…

 温かいお茶が出され、それを飲んで少し落ち着いた。

 お茶を淹れてくれたのは、アルだ。すごく美味しい。王子がこんな給仕をするってどうなの、と軽口を叩こうとして、ポロリと涙が零れる。

「……ケーキもあるよ。食べる?」

「うん」

 頷いたら、アルはそそくさとケーキの準備に取り掛かった。

 その後ろでは、リックが困ったように手を上げたり下げたりしている。たぶん、アルが手伝わなくていいと言ったんだろう。だけど従者としてどう動くのが正解か、苦悩しているようだ。

 なんだかそれを見てたら、力が抜けた。

 甘いケーキを食べて、もう一杯お茶を飲んで。

 よし、現実に立ち向かおう。

「ごめんなさい。動揺しちゃって……」

「いや。僕に配慮が足りなかった」

「ううん。アルは襲撃のあと、ずっとその心配をしてくれていたんでしょう?わたし、何も知らずにのん気にしてて……ほんと、ごめんなさい」

 ここからは、私が頑張って考えないと!

 一度上がった魔力量って、下げることは出来るんだろうか?

 転生モノの小説でありきたりな、魔力チートに乗っかろうと安易に訓練するんじゃなかったなぁとしみじみ思う。まさに後悔、先に立たず。

「えーと……たとえば今後、大きな魔法は使わないので、このまま誤魔化し切るってわけには……いかないのかな……?」

「学院に入学するからね。そのとき、必ず測定される。学院へ行かないという選択肢もあるけど……アリッサは火龍公爵家だから、あまり現実的ではないかな。あと、あまりに魔力量が高いと高位の神官は気付くと思う」

 そ、そうか。気付かれてしまうのか……。

 火龍公爵家の娘だもんね。神事に参加しないワケにいかないだろうし、学校へ行かないのもね。

 うーむ、今から病弱設定にしてみたらダメかしらん?

 でも、そうすると結局、活動制限を受けちゃうことになるか……。そもそも逃げるのは性に合わない。

 考え込んでいたら、アルがホッとした顔になって私の横に腰掛けた。

「まだ、うまくいくか保証はないんだけど……実は試してみようと思っている方法があるんだ」

 すごい。さすがアル!

 まさか、もう対策を考えているなんて。

 ───そうして明かされたのは、ウォーレンさんに魔力抑制装置を作ってもらうという方法だった。

 魔力が暴走したときに付ける腕輪などがあるので、それを元に改造してみるという。

「た、ただ……き、ききき君の魔力量が……かなり、た、高いから……ちょ、ちょっとむ、難しいかも……しれない……」

 いやいや、可能性があるのなら及ばずながら私も一緒に開発したい。なにせ、私の問題だしね。

「てゆーか、いいんですか?この力のことを隠すのにアルやウォーレンさんが関わったら、バレたときが……」

「大丈夫。全力で隠す」

 あ。

 アルが悪い笑顔になった。普段、キラキラ王子なのに、腹黒そうな笑顔も似合うってどうなの。

「でも……やっぱりアルが関わるのは……」

「アリッサはその力を使って国を脅かすのかい?」

「国なんか わたしは要らないです。あと、人を傷つけたりして恨まれるのもイヤ」

「ふふ。だったら、気にしなくていい」

 いいのかなぁ……。

 ただ、よく考えてみればウォーレンさんだって囚われていて自由がない。ウォーレンさんも出る方法はないのだろうか?

 ところが……

「ぼ、ぼぼぼぼくは、人が苦手だ、だから……この……塔の生活が……あ、あああってるんだ……」

 他人に干渉されず、日がな本を読んで生活できるのは最高らしい。うーん、私には到底、いたらない境地だわ。


 ということで、私が学校へ通い始めるまでに魔力抑制装置を作るという話になった。

 そして、どうしてもムリな場合は、測定前日にこの隠者の塔で限界ギリギリまで魔法を使い、魔力量を下げてみる方法を取ることにした。ただ、これから少しずつ調べていくことになるけど、私の魔力量の見極めが難しいことと、測定器が“総量”を量るタイプなら減らしても意味はない。なので、これは最後の策だ。どうやら学院の測定器は、学院の教授が色々と改良を重ねているらしく、神殿にある測定器とは少し型が違うらしい。測定器にそんな高性能を求めなくてもいいのにねえ。

 で。

 それと平行して、私の“魔力瘤”も治すこととなった。

 要約すると、私の体を巡る魔力回路には流れを阻害する魔力の塊があるらしい。これは、最初の使い方が悪かったせいだとか(だから、学校で習う必要があると怒られた)。

 いうなれば、動脈瘤みたいなもんなのかな?

 てことは、私、高血圧で動脈瘤持ちだよ。

 今までパーン!って破裂しなくて良かった~……。


 王城からの帰り道。

 リックにしみじみと言われた。

「この国で一番、魔力が高いお嬢には……物理的な護衛より、世の中の常識やルールから守ってくれる殿下のような方が一番必要だな。お嬢、殿下は本当に素晴らしい方だ。殿下に感謝しろよ?」

 何、それ。

 リックのアルへの信頼度がすごく高くて、ちょっとムッとするわ~。

 ちなみに、迎えに来てアルから詳細な説明を受けたお父さまにも同じことを言われた。

 ひどい。

 そりゃ、アルには感謝してるけどさ。

 とりあえず私だって。ちゃんと世の中の常識やルールは理解してます!

 でも、独自に学ぶのには限界があるので、この世界のルールブックは欲しいと思うの……。

途中まで書いていた分の手直しで、今週は手一杯でした。

来週からは通常運行に戻ります!

さあ、サクサクと書かねば。

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