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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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高い魔力量の代償は……

 地下から、塔の上階に移る。

 入ったのは、壁一面に本が並ぶ部屋だ。ざっと見た感じ、どの本も貴重な魔術書ばかり。古語の本もあるようだ。すごい。

 うおおお、よ、読んでみたい……。

 魔道具もたくさん並んでいて、なんだか魔法の研究所っぽい。かっこいい。

 私が物珍しげにあちこち見て回っていたら、リックにツンツンと注意された。

 ……はい。今はそれより大事な話だよね。

 アルに促されて、椅子に座る。アルはリックにも座るように言って、全員が机を囲んで座ることになった。

「えーっと、それで……わたしの魔法に、何か問題あるんですか?」

 アルが珍しく眉間にシワを寄せて難しい顔で黙りこんでいるので、とりあえず、私が口火を切る。

 ウォーレンさんが、灰色の瞳を心配そうにこちらへ向けた。

「き、ききき君は……ま、魔力量が異常に……高い……」

「そうなんですね」

「そ、そそのレベルは……か、管理対象に……な、なる……」

 ?

 管理対象?

 アルが恐ろしく真剣な目で私を見た。

「普通は、生後間もないうちに神殿で祝福を受け、そのときに魔力量を量る。その後、成長とともにある程度は増えるけど、それでも極端には増えない」

 ふむ?

「アリッサも、そのときは特に問題になるレベルではなかったはずなんだ。……あのね、アリッサ」

 言葉を切り、アルが私の手をそっと握った。

 その手は、少し震えているような気がした。

「魔力量が一定レベルを超える者は……国にとって脅威だ。なので、魔力測定で基準値以上の者は、赤子のときから国の管理下に置かれる。───いや、正しく言い直そう。隷属の首輪をつけられ、一切の自由はなくなる。国のために飼われるんだ」

「え?」

「ウォーレンは、そのうちの一人だよ。彼は、王城から出ることは許されない。王城へ来たのは11才だったかな?以降、ずっと王城にいる。他にも基準値を超える者が二人いるんだけど、その二人にいたっては赤子のときからだ。彼らは外の世界を知らない」

「……え?」

「アリッサがウォーレンを超える魔力量だとすると、やはり隷属の首輪を付けることが求められる可能性が高い。ただ、この制度が出来てから、王族や四龍でそこまで魔力の高い者が出たことはなかったから……どういう扱いになるか、はっきりとは言えないけれど……」

「は、発言をお許しください!」

 リックが青くなって立ち上がった。アルは表情を少し緩めて、首を振る。

「この塔の中では貴族の作法など気にしなくていい。いちいち許可を取らずとも好きに発言していいよ」

「ありがとうございます。……あの、お嬢───お嬢様と殿下が婚約者であれば、そういう束縛は必要ないのでは」

 ……う。リックの言いたいことは分かる。分かるけど。なんか、そういう理由でアルと婚約はしたくない。

 しかし、アルは更に苦い顔になった。

「もし、王族との婚姻で隷属の首輪が免除されるというなら、僕ではなくマーカス兄上と婚約になるだろう。もしくは……父上、国王陛下だ」

「そんな!」

 ……なんだろう。急に寒くなってきた気がする。背筋がぞくぞくする感じ。

 それに目の前が暗くなったような。

「アリッサ!」

 アルが焦った口調で私を覗きこんだ。

「ごめん。急にいろいろ、話しすぎた。ちょっと休もう。横になるかい?」

「ソ、ソファが……そ、そそこに、あ、あるよ」

「お嬢!顔が真っ青だ!寝ろ、ちょっと横になれ!」

 ウォーレンさんとリックにも言われ、私はろくに返事も返せないまま、ソファに横たわる。

 ……隷属の首輪?

 何、それ。

 王城から出られないって……それじゃ、牢獄に閉じ込められるのと一緒じゃん。

 どうして?

身内に不幸があり、書き物をする時間がなくなりました…今週はちょっと更新が滞るかも知れません。(途中まで書いているので、間に合う可能性もあり)

気になる辺りで切ったままになったら、すみません~。

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[一言] 無理はしないでください。 気持ちが落ち着いてから、また、楽しいお話お願いします。
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