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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アルフレッド視点1

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願いたいことは本当はいっぱいあるのだけど

 部屋の明かりを落としてすぐに、星が流れた。

「あー!願いごと!何にしよう~、えーと、えーと……乗馬!馬に乗れるようになりますように!」

「それは無理じゃないかなあ?」

 思わず口を出してしまったら、両手を握り締めてアリッサが僕を振り返る。

「ムリじゃないですぅ!私は、アルより上手に馬に乗れるようになるんだから」

「そう?帰りも体がガチガチだったから、道のりは遠いと思うよ」

「今日、初めてなんだからそんなもんです。……じゃあ、アルは?アルは何をお願いしますか?」

 アリッサがこれから先も一人では馬に乗らず、僕と一緒に……とお願いしたいけれど、それは怒られそうだから諦めよう。

 他にも、僕には口に出せない願いがいっぱいだ。

 う~ん、何かちょうどいい願いってないかな?そうだ!

「背が高くなりますように……?」

「背?」

「母上は割りと背が高いんだけど、父上は少し低いんだ。ヒールを履いた母上と並んだら、ほとんど変わらない。伯父も低い人が多いから、僕も同じだったらイヤだなと思って」

「なるほど。……私もなかなか伸びないから、それもお願いしてみようかな……」

「そんなお願いして、伸びすぎたらどうする?男の僕は高くてもいいけど、アリッサだと、ダンスの相手がいなくなるよ」

 というか、僕より高くならないで欲しい。男の小さなプライドだ。

 流れ星に願って、本当に叶うか分からないのにムキになるのも情けない話だけど。

「そっかぁ……そうですよねー、チビもイヤだけど巨人もイヤだなぁ。じゃあ、今夜は乗馬一択で!」


 その後は延々と2人で願いを連呼し、失敗をしては笑うという楽しい時間が続いた。

 顔を真っ赤にしながら「じょばじょばじょば」と叫ぶアリッサは本当におかしくて、僕はこんなに笑ったことはないというくらい、爆笑しまくった。心から笑うと、あんなに腹筋を使うなんて知らなかった。

 僕は、この夜を一生忘れられないだろう。


 翌朝。

 母上達にも僕らの笑い声は聞こえていたようで、一緒に参加すれば良かったなんて言われた。

 そこから何故かシワの話へとなり、途端にアリッサが真剣な表情で考え込む。

 どうやら美容に関する商売で何か思い付いたようだ。

 アリッサは、やはり商売人だなぁ。

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