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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アルフレッド視点1

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彼女の有能な右腕に依頼する

今回、長いです。1つエピソードを削ったら、切るところがなくなってしまった……。

 一生の不覚。

 アリッサの横で寝落ちしてしまった。信じられない。

 だけど、それ以上にショックなのは、アリッサが全く気にする風がなかったことだ。

「お友達とパジャマパーティーをしてみたかったんです、夢がかないました」

と嬉しそうに言われてしまった。あーあ、ちょっとはドキドキして欲しかったなあ……。

 ただ、友達に昇格したので、今後は“アル”と呼んでくれるそうだ。

 そこは怪我の功名(?)だろうか。


「起こしてくれたら良かったのに」

 アリッサが帰ったあと、ヘザーに少しだけ八つ当たりをする。

 ヘザーは左手を頬に当てて、ふうっと息を漏らした。

「わたくしも、お起こししようかと思ったんですけどねぇ……殿下もアリッサ様も、あまりに幸せそうな顔で眠ってらっしゃるんですもの。とても起こせませんでしたわ」

「うんうん、殿下がホント、可愛かったですね~。まだ僕の添い寝が必要なお年だなあって思いました」

 ……ウィリアムめ、調子に乗ってるな。

 ぶすっとする僕を見ながら、ヘザーが笑う。

「まあ、でもこの件を火龍公爵閣下がお知りになったら良く思われませんでしょうから、秘密にしておきましょう。アリッサ様も言い触らさないでしょうし」

 うん、それは助かる。


 アリッサから貰ったものと同じアルカスターの守り刀を取り寄せたいとブランドンに相談したら、カールトン商会に聞いた方が良いだろうという話になった。アルカスターは独立した小さい工房が幾つもある。それぞれに得意とする刃物が違うので、その中から伝手もなく“守り刀”を作っている工房を探すのは大変なのだそうだ。

 アリッサに守り刀を贈ることは言っているので、隠す必要はないのだけれど……出来れば、独自で取り寄せたかったな。でもまあ、仕方がない。

 ということで、ウィリアムとカールトン商会へ行く。

 店長のブルーノ・オルコット子爵と初めて顔を合わし、挨拶をしたあと、子爵の子息マシューを紹介された。

「アリッサ様が考案された商品の販売や、取り寄せしたいと考えた物品に関しては、すべて息子が担当しているのです」

 現れたマシューはもうすぐ10才らしいが、年齢より大人びて見えた。聡明そうな深い茶色の瞳が僕を見て嬉しそうに細められる。

「お会い出来て光栄です、殿下」

「単刀直入に聞くが……アルカスターの守り刀を取り寄せたいんだ。扱っている工房を教えて欲しい」

 マシューは頷き、すぐにサラサラと紙に工房の名前や住所を書いた。見覚えのある万年筆を使っている。

「こちらの工房です。家族でやっている小さな工房ですので、殿下から注文が入ればとても喜ばれると思います。……でも、もしよろしければ、僕の方で手配をいたしますが。形や色、大きさなどが決まっている場合ですけれど」

 マシューには、僕がどういう守り刀が欲しいか、何のために欲しいかを見透かされている気がした。穏やかな彼の口調に促され、素直に注文の内容を言うことにする。懐から守り刀を取り出した。

「これと同じものを」

「了解いたしました。この大きさはアリッサお嬢様がこだわって注文されましたので、まだ装飾を付けていない刃だけのものが何本か残っております。通常より早く取り寄せられるでしょう」

 驚いた。余計なことは聞かないし言わない。予想外に有能だ。

 これはもう、変に意地を張らず、マシューに頼んだ方が早いか。

「では、頼む」

「はい。宝石の色は変えますか?」

 ……なるほど?

 僕の守り刀に紅い石を選んだのはマシューだな?

 僕は苦笑して、守り刀の紅い石を撫でた。

「宝石の色には興味がない相手に贈る予定をしている。綺麗な色の石があれば、それでいいよ」

「そうなのですか?──ああ、失礼ながら一つ伺いたいのですが……殿下はこの紅蓮石は好みではありませんでしたか?」

「…………とても気に入っている」

「それは良かった」

 少し間が空いてしまったが、僕の回答にマシューは心からホッとしたように微笑んだ。そして、何度か頷く。

「では、青い石で発注いたしましょう。お相手の方も、喜ばれると思います」

「そうかな?」

「いずれ、そうなるかと」

 うん、そうなって欲しいとは思っている。

 だからこそ……青い石にしておく方がいいのか。

「分かった。青い石にしてくれ」

「はい。出来上がり次第、王城にお届けいたします。……ところで」

 茶色の瞳が真っ直ぐに僕を見た。

「今後、カールトン商会における殿下の担当者を、僕が務めさせて頂いてもよろしいでしょうか」

「?……別に構わないが?」

「ありがとうございます。そうして頂けますと、殿下のご注文内容などは僕以外には秘密にいたしますので」

 ……つまり、アリッサには言わないということらしい。

 いやはや、彼女の右腕は恐ろしく頼りになる。

もしかすると、明日の更新はないかも知れません~。なるべく書き上げるつもりですけど。

ここを書くのに、思った以上に時間がかかってしまって……気力が尽き……バッタリ……。

(そもそもマンガを大人買いして読み耽ってしまったのが一番の原因なんですが)

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― 新着の感想 ―
[一言] マンガは読み出すと止まらないからね~ わかります(笑)
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