表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アルフレッド視点1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/369

この想いに気付いてしまったから

 アリッサ嬢は僕と会うために王城へ来てくれたはずなのに、その到着は知らされず、遅いことを心配して母上を探しに行ったら、母上とお茶している彼女を見つけた。

 ……僕が行かなければ、母上はずっと彼女を独占するつもりだったんだろうか?

 気に入り過ぎだろう……。


 さて、アリッサ嬢がわざわざ王城へ来たのは、どうやら新作ゲームを披露するためではなく、本当は僕の誕生日を祝うためのようだった。

 手作りケーキとアルカスターの守り刀を渡され、僕は思わず言葉を失った。このサプライズは………ずる過ぎる。

 しかも、守り刀に付いている宝石の色は紅だ。彼女の鮮やかで美しい髪と同じ、色。

 アリッサ嬢は、自分の持つ色が入った品を異性に贈る意味を、知っているのか?

 ───いや……高確率で知らない気がするなぁ。

 紅蓮石の説明をにこにこと話す素振りを見る限り、そういう意識は欠片も無さそうだ。

 まったく、変な知識はあるくせに、どうしてこういう常識は知らないんだ……。もしかして恋愛関係に関するセンサーだけ壊れているんじゃないか?

 だけど、違うと分かっていても……こんなのを渡されてしまっては、ドキドキするなと言う方が無理だろう。

 僕のために、僕のことを考えて、用意されたプレゼント。そして手間隙かけて作った手作りケーキ。今までもらったどんな物より、愛情を感じてしまう。たとえそれが異性に対する愛ではないとしても。

 ああ、もう……イヤだな。勝手に僕だけがどんどんアリッサ嬢に惹かれている。これはあまりに不公平だ。友達になれたらと思っていたのに、もう、それだけでは全然足りない。彼女の……特別な存在になりたくなる。

 でもそれは、仕方のない流れじゃないか?だって、彼女がそういう流れを作っているんだし。

 ───僕は堪えきれず、そっと守り刀に口付けを落とした。

「ずっと、身に付ける。これから一生」

 仕方がない。覚悟を決めよう。

 君は僕の特別になってしまった。この想いに、僕は目を背けられない。


 ……そのあと、アリッサ嬢考案の新ゲームをした。リバーシという、白黒の駒を使う斬新な遊びである。

 先ほどの甘い想いを台無しにするほど彼女は容赦がなく、あっという間に僕は10連敗した。

 うん。

 アリッサ嬢らしい。

 だけど、10回も連続でやれば攻略法は見えてくる。アリッサ嬢の手から考えると、四隅を取るのは重要だ。だけど、その手前……四隅を囲む3ヵ所に置かないという点も大切ではないだろうか。

 また、あまり最初の方に自分の駒を増やすのも得策ではない……。

 ───アリッサ嬢への想いは想いとして、僕にも意地はある。いつか、彼女に完全勝利したい。負けっぱなしは絶対に性に合わない。

 このリバーシもプレゼントするとアリッサ嬢は言うので、後でじっくりウィリアム相手に攻略を究めてやろう。

アルフレッドはかなりの負けず嫌いです。

たぶん、それくらい根性ないと、アリッサには付いていけないかも……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ