アリッサ嬢の来城とエリオットの手紙
「近々、アリッサちゃんが来てくれるんですって!」
朝の鍛練を終えて着替えていたら、母上がウキウキと飛び込んできた。
「あら、ヤダ。アルがどんどん筋張ってきてるぅ。あの可愛いアルはどこへ行ったの……」
入って、僕を見るなりがっくりと膝をつく。
人の裸(上半身のみ)を勝手に見ておいて、失礼な言い草だ。
「可愛いアルなんて、前からいません」
「可愛かったわよ!頬っぺはプニプニで、腕ももっちりしてて、とっても触り心地が良かったのに。もうアナタを抱き締めても固いだけだわ」
「ま、もう抱き締めてもらう年でもないですしね」
いつまで赤ん坊扱いするんだか。
冷たく返したら、はあ……と大袈裟に溜息をついて母上はブランドンに愚痴をこぼした。
「まだ6才なのに、この可愛げの無さ!こんなので、意中の乙女を射止めることが出来ると思う?」
「殿下の魅力は、今、育てているところです。まだイモムシですから、大目に見てあげてくださいませ」
……何気にブランドンも酷いな。
着替え終え、母上を促して部屋を出る。
朝食の席で会うのに、わざわざ僕の部屋まで来たのは、よほどアリッサ嬢のニュースが嬉しかったのだろう。
「また、城に一泊するのですか?」
「最初は、アルとお茶するだけって話だったのだけど、ぜひ、泊まっていってってお願いしたのよ。今度は一緒にお風呂へ入るわ!髪を洗ってあげるの~。あ、彼女のパジャマを用意しなくちゃ。か~わいいパジャマ!」
……アリッサ嬢に同情してしまうな。
僕は男に生まれたことを感謝しないといけない。女だったら、ずっと母上のおもちゃだ。
「でも、アリッサちゃんからアルに会いたいって連絡が来るとは意外だったわ。なんだか新しいゲームの話をしたいって」
へえ、もう新しいゲームを考えたのか。
次にゲームを作ったら一番に教えて欲しいとは言ったけど、まさかこんなに早いなんて。
久々にアリッサ嬢と会えることも楽しみだが、新ゲームも楽しみだ。
そういえば人生ゲームお茶会のあと、エリオットからたまに手紙が来るようになった。まるで報告書のような手紙が。
“今日は歴史学と政治学の勉強をした”
“先日、リリアラの花が咲いた、今年はとても綺麗な色合いだ”
等々。
どう返事を返せばいいか悩む内容ばかりである。仕方ないので、僕も似たような内容で返している。友達とは、こういう付き合いが普通なのだろうか……。
正月休みの分を必死で書き溜めましたが、ストックも尽き、自転車操業状態です。
アルフレッドの章が終わるまでは毎日更新を続けたいんですが、厳しーい!
てゆーか、いつ終わって次章へ行くの……。勝手に書く内容が増えていきます。何故……。




