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「テレサの年齢ってどうなの?」

テレサは、スザク村でユイの家で暮らすことになった。そして、遺跡でのシンとの出会いの秘密とは。

<テレサ>


テレサは、遺跡での事の成り行きを僕が、村長話し、村長の家でユイと暮らすことになった。村長は、学識が高く、グランデイア家のことを知っていた。グランディア家は、その昔、この地方を治めていた豪族で今のジュラ王家と並び古い家系で、古代文明の子孫とも言われていたらしい。大厄災で過去の記録などが消失したことでいつ頃、衰退しどのような末路を辿ったかは、はっきりしない。彼女は、家族や一族の末路についてどう思い、どのような想いがあったのだろうか。彼女は、そのことについて、語りたがらなかったし、僕らの前で涙を見せることもなかった。アリアナも大厄災の際に、故障をしたらしく自己修復したが、暦の記録や記憶領域の一部が損傷したことでテレサが、どのくらい眠りについていたか不明だということだった。遺跡の研究室のことは、村長の判断で村人には内緒にすることになった。


テレサは、村長の親戚の子で親を亡くしたので村長が預かったということになった。

ユイは、一人っ子だったので、とても喜んでいた。


彼女は、眠るまでの年齢は10歳だと言ったが、眠っている間、睡眠学習のようなものを行っていたらしく、びっくりするほどの知識があり、年齢にそぐわない落ち着きがあった。


彼女の意識は、その間、ほんとうになかったのだろうか。はっきりとした意識はあったとはおもわないが薄い、意識はあったのではないだろうか。まどろむような意識の中で彼女は何百年かの年月を過ごしてきたのではないか。想像もつかないことだと僕は思った。


彼女には、僕らを驚かせることがいくつもあったが、なかでもみんなを驚かせたのは、アリアナのことだった。アリアナの外部端末であるコンパクトを持ち歩くのは不便だと言い、研究所にこっそり舞い戻って、アリアナのコンパクトを小動物(子狐のような姿)に改造して自力移動ができるようにしてしまったことだった。テレサは、こともなげにゴーレムの技術を応用しただけだと何をふしぎがっているのかわからないという顔をしていた。


テレサは、思慮深く年齢にそぐわず落ち着いていたので、僕は、とても話しやすかった。


学校の帰り、僕はテレサと二人きりになったとき、気になっていたことを思い切って聞いてみることにした。

「ねぇ、テレサ。ちょっと聞いてみてもいいかな」

「ん?何?」

「あの~~、んっと…」

「ん…、どうしたの?遠慮しないで何でも聞いて」

「うん。えっと。君が目覚めたときのことなんだけど…」


「僕に最初に言った言葉を覚えているかい?」

テレサは、僕の目を見て微笑み。そして、頷いた。


「君は、僕に…、僕らに、『見つけてくれてありがとう』って言ったよね」


弾けるような笑顔で彼女は言った。

「あれは、シンに言ったんだよ」

「えっ」

「見つけてくれたのは、シンだから君に『ありがとう』って言ったんだよ」


僕は、その言葉に年甲斐もなく。って言ってもこの世界では10歳だけれど、顔を赤らめてしまった。


「えっ、いや、ユイとトウマの3人で見つけたんだよ」

汗がでた。

「そうだんだ」

テレサは、上目遣いに微笑んだ。

「目覚める前、私は、背の高い綺麗な女の人から君が私を見つけてくれることを教えてもらったの、だから見つけてもらえることを知っていたんだよ」

「うん?教えてもらった?」

「そうなの。「あなたは、もうすぐ目覚める、目覚めて最初に見る人があなたを見つけてくれた人です」と言ったの」


詳しく、話しを聞いたところによると、その背の高い女の人とは、どうもアマテラス神のようだった。アマテラス神がテレサのところに僕を導いたのだろうか。

たしかに、秘密の扉が開いたとき、僕は躊躇もしないで、逆に積極的に部屋に入ろうとしたし、ユイやトウマを簡単に引きずっていくことができた。何か不思議な力がそこにあったことは確かに思えた。

僕が『成すべき事』にテレサも関係しているのかもしれない。




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