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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
78/84

平凡に懐疑的

其の77






楼閣の階段を駆け下りたバリョウが目にしたのは、守備兵に詰め寄る鎧姿の男だ。

外の集団の代表とおぼしき男の元に進み


『恐れながら申し上げます。私はこの南門を預かりますバリョウと申します。貴方様は騎督尉ソウソウ様の軍の方でお間違いありませんか?』


丁寧な口上で現れたバリョウを少し懐疑的な視線で見るソウソウ。

急遽編成された騎督尉の位と、ソウソウの名前を言い当てたことに対してだ。


『如何にも私が騎督尉ソウソウだ。バリョウ殿と申されたか?赤頭巾の顛末について尋ねたい。よろしいか?』


ひとまず、現状把握を優先させたソウソウも丁寧な物腰でバリョウに尋ねる。


『ソウソウ…』


後ろで囁く副将の言葉を軽く手を上げて遮る。

恐らく、同じ疑問を抱えたであろうソウジンだ。

軽くソウジンを見やり頷くと、こちらの様子を伺っていたバリョウは


『昨夜、ユウ州の援軍により我々は解放されました。詳しくはセイ州候トウセイ様との謁見の際に』


そう言って、ソウソウ一行を城内へと案内を始めるバリョウ。

バリョウに付き従うように歩みを始めるソウソウを確認すると、近くの兵士にソウソウの到着をトウセイに伝えるように指示を出す。




セイシュウ城の謁見の間に通されたソウソウをトウセイを始めとしたセイ州の文官、武官が出迎えるが、皆の表情はとても歓迎している雰囲気では無かった。

それでもソウソウはトウセイの前に歩み出て


『陛下より騎督尉を賜ったソウソウと申します。セイシュウ城へと押し寄せた赤頭巾討伐の為、(まか)り越しました』


ソウソウの口上に


『セイ州を預かるトウセイである。此度の御助成有難いのだが、ソウソウ殿も御覧の通り、赤頭巾は既に討伐済み。陛下の御力は我等ではなく、今尚苦しむ者の為に奮われよ』


端的に「今頃来ても役には立たないからさっさと出て行け」との返答。


当然、ソウソウに従うソウジンを始めとした者達は怒りの形相となるが


『それは何より。して赤頭巾の討伐にはユウ州よりの援軍があったとそこに居るバリョウ殿より伺ったのだが、ユウ州の者達は城内においでか?出来れば赤頭巾討伐の顛末をお聞かせ願いたい。今後の作成立案と陛下への御報告の為にも是非に』


当のソウソウは何食わぬ顔でトウセイに問う。


ソウソウの問いにトウセイは


『ユウ州よりの援軍は確かにあったのじゃが…』


そう言って周りの側近を見回す。

すると、文官の一人が歩み出て


『ユウ州よりの援軍はここにはおりません。ユウ州の本陣はセイシュウ城より北東にあると聞いております。そちらで伺っては如何でしょうか?』


歓迎されてはいないようだが、戦の詳細を教えられない理由が皆目見当がつかない。

その時、先程の城門でのやり取りをソウソウは思い出していた。

どうやら、自分達も何がどうなったか把握が出来ていなのではないだろうか?

そんな風に結論付けたソウソウは


『そうですか。ではバリョウ殿。お手数でもユウ州軍本陣迄の案内を頼めるか?』


不意の指名に慌てたバリョウがトウセイを見ると、無言で頷くので


『で、ではこちらへ』


そう言ってソウソウ一行をまたもや案内することになったバリョウは「何やら面倒なことに巻き込まれたのでは?」と思いながら渋々と歩みを進めるのであった。

次回投稿予定【5月28日】

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