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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
75/84

平凡に誘導係

其の74






セイシュウ城に迫る赤頭巾の兵はチョウ妃の魔法を目の当たりにして戦意等は既に失っていた。

元々はチョウ妃に一度敗れた兵士は逃げるか、気でも触れたかのように、その場に座り込み炎の壁をヘラヘラ笑みを浮かべて眺めている者が続出している。


俺はとにかくセイシュウ城に向かう気概のある少ない兵を追い払うことに集中していたが


『将軍!』


不意に後ろからの声に振り返ると、先程まで地面に平伏していた赤頭巾の兵の一団が俺に呼び掛けていた。


『将軍。あの者達をどうかお許し願えませんか?元は農民等がほとんどで最早戦意はごさいません。将軍が許されるのであれば、我々に降伏の説得をさせては頂けませぬか?』


逃げる兵をそのまま放置するより、降伏を説得させた方が後々色々悩まなくても良さそうだし、何より俺はその方が楽だ。

万が一説得に失敗して襲い掛かって来ても、最早大した脅威とも思えない。

俺は少し考えた素振りをした後


『其の方の名は?』


『ハッ。私はテイイクと申します』


テイイクと名乗った男はただの農民とは思えない雰囲気を醸し出してはいたが、とても武芸に秀でた感じではない。

寧ろ、どこかの賢人かその書生といった感じだった。


『ならばテイイク。其の方の申す通り説得してみせよ。但し妙な素振りをした時は容赦なく斬る』


若干の脅しを交えてテイイクの申し出を俺は受け入れたのだった。




◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆




その頃、右翼から赤頭巾に対峙していたリュウビはと言うと…


『こちらは危険ですから逃げてくださ~い!間違ってもセイシュウ城には近付かないでくださ~い!逃げるに疲れたなら武器を捨てて降伏してくださ~い!』


と言った感じで最早避難民の誘導係といった感じだった。


『もぉう。私に闘いとかムリムリ』


そんな独り言を呟くリュウビに


『こら!金魚!仕事せんか!』


チョウ妃からのお叱りの念話が届くが、当のリュウビは久しぶりの「金魚」呼ばわりにムッとした様子でシカトを決め込み


『そっちは危険ですよ~!恐い方から魔法が飛んで来ますよ~!』


といった有り様だ。


元々コウソンタン将軍達から逃げて来た赤頭巾の兵達は、リュウビの誘導されるまま東に向かって逃げて行く者より、武器を捨てて降伏する者の方が殆どで、右翼の闘いが起こることは無かった。

次回投稿予定【4月6日】

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