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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
74/84

平凡に小粒

其の73






シュウソウからの念話に


『ふん。少しはドアーフの小娘も役に立ったか。いや、コウソンタンが巧くやったと考えた方が良さそうじゃな』


そう言って、馬上でその小さな身体には不釣り合いな程主張する胸を張って、北の空を見上げるチョウ妃。


『シュウソウ!リョウに伝言じゃ。そっちに赤頭巾が向かうから適当に追い払えとな。くれぐれも深追いは禁物じゃからなと。それから小娘にも伝言じゃ。胸が小粒な奴は仕事も小粒じゃのとな』


チョウ妃の念話が聞こえが、リョウ君への指示は至極、真っ当なのに、ホートさんへの伝言は最早悪口だ。

それに、リュウちゃんと同じぐらいの胸だったホートさんを「小粒」とは…

どうにも、チョウ妃状態の婆ちゃんとは付き合い難い。


『どぉーれ。もう一働きするか。ほれ、カンウとリュウビ。敗走する赤頭巾に「絶望」ちゅうのを思い知らせてやるのじゃから、お前達も仕事せい』


なんだか、1人張り切っているチョウ妃が北門の先に馬を走らせる。

俺とリュウビが後を追うと、何故か投降した赤頭巾の兵達も続いて北を目指し始める。


これって…

もし、北から迫る赤頭巾に

呼応し、投降兵が俺達に襲い掛かったら見事に挟み撃ちになるのでは?

武装を解除されているとは言え、全員を調べた訳では無いだろう。

小太刀でも隠し持っている者が複数で向かって来られたら、人的被害と言うより戦局としては少々面倒だ。

東門はセイ州兵の出陣により開け放れたままになっており、もしそこから赤頭巾の兵が城内に雪崩込んだりしたら…


俺が不安要素をチョウ妃に伝えるべく、先行するチョウ妃に追い付こうと、馬の速度を上げると、少し先の丘の上に何やら動く姿が。

暗闇でハッキリとはしないが、どうやら敗走する赤頭巾の先頭のようだ。

シュウソウからの念話で、敗走していると聞いて無ければ、こちらに向かって突進していると勘違いする勢いがある。


丘の上に敵を確認したであろうチョウ妃は、馬上から丘を見つめ


『ここじゃな』


一言呟く。


俺とリュウビがちょうど追い付いたタイミングで、チョウ妃の槍が丘に向かって横一文字に振られると


「ゴォォォォゥゥー」


凄まじい熱量の炎の壁が立ち塞がった。


『キャッ』


あまりの熱量に隣に居たリュウビがなんとも可愛らしい悲鳴をあげるが、俺達の後方からは


『『『おぉぉぉぉ。炎魔(えんま)様!!!』』』


おかしな歓声とも、恐怖とも取れる声と共に、再び地面に平伏す投降兵達の姿があった。


『お前達は、炎の壁から逃れて来る奴等の相手を任せる』


自分の魔法に満足顔のチョウ妃だが、確かにこの光景から挟み撃ちを警戒しても意味は無さそうだ。


『あぁ。リュウビは右翼を頼む。我は左翼より北上して敵を殲滅する』


これで無事コウソンタン将軍と合流し、亮君のユウ州軍本体が赤頭巾達を蹴散らしてくれたら、援軍はとりあえず成功か。


こうして、夜明けまでにコウソンタン将軍と合流するべく、俺は炎の壁の左翼に馬を走らせた。

次回投稿予定【3月22日】

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