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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
69/84

平凡に自殺行為

其の68






過去一のやる気のまま、婆ちゃん特製の鎧を身に付けてカンウの姿に。

朝には元の姿に戻るのを考慮しながらセイシュウ城を取り囲む赤頭巾を一掃する無茶に挑む訳だが、今日の俺は一味違う。

リュウビの安全確保は当然として、南門の敵をユウ州軍が来るであろう北東方面に追いやるのが今回の俺の役割だ。

どうせ、婆ちゃんは何も考えず、炎魔法をガンガンぶっ放って、焼死体の山を築くのだろう。

まっ、派手に赤頭巾を倒した方が、城内のセイ州兵もリュウビの言葉を信じるだろうから、俺も遠慮無しに青龍偃月刀(仮)を振るえる訳だし。




陽も暮れて辺りはすっかり闇に包まれる。

セイシュウ城の城門の上には篝火が焚かれ夜襲を警戒しているようだが、対する赤頭巾の軍からは、炊事の火が見える。

どうやら、今夜の夜襲は無さそうだが、こちらから夜襲があるとは夢にも思わないだろう。


『カンや。行くぞ』


馬上の婆ちゃんはチョウ妃の姿で不敵な笑みを浮かべている。


『いざ!』


俺の返事で、敵陣目掛けて駆け出す3頭の騎馬。

恐らく10万は下らない敵への特攻は自殺行為にしかみえないだろう。


瞬く間に敵陣後方にたどり着くが、たった3頭の騎馬を誰1人として敵とは認識していなかった。

それどころか、配られた食事を笑顔で食べてる赤頭巾の兵士達がほとんどだ。


敵が目前に迫ったタイミングで婆ちゃん得意の炎魔法が炸裂する。

最初の一撃で立ち上る炎が戦場の空気を一変させた。


何が起きたのか呆然とする兵士達。

いち早く武器を手に敵襲と気付く者はほんの一握りだが、婆ちゃんがそんな敵を見逃すことはあり得ない。


次々と放たれる炎魔法で南門前の敵はあっという間に混乱状態に陥っていった。


俺も炎から逃れる敵を、馬上から気の刃を奮い仕止める。

さながら、前世のゲームで言うところの、NPC相手の無双の様相だ。

一振で、数十人から倒される光景を目の当たりにしても、心身共に【英雄変化】をした俺はゲームをしているかのような錯覚すら覚える。


婆ちゃんの魔法と、俺の無双によって南門前の敵はみるみる数を減らしていった。


『リュウビ!』


頃合いと判断した婆ちゃんが、俺の陰で控えていたリュウビに合図する。


婆ちゃんに呼応したリュウビは、敵兵の死体の山の脇を抜け南門前で馬を止めると


『我々はユウ州からの援軍です。セイシュウ城内の皆様。今が好機です!』


紅の鎧姿に剣を頭上にかざした戦乙女の呼び掛けに城門の上では歓声が上がった。



南門付近の残敵の掃討はセイ州兵とリュウビに任せるとして、俺の意識は北東方面に対する赤頭巾に向いていた。


次回投稿予定【12月31日】

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