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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
68/84

平凡に単純

其の67






当初の作戦は、コウソンタン将軍の錯乱戦により逃げて来る赤頭巾に紛れて、敵陣の奥から俺と婆ちゃんでゴリ押しする作戦だったと婆ちゃんは白状した。

まっ、魔法耐性が強い俺なら、婆ちゃんの魔法の影響も考えないで済むし、周りが敵しかいない状況なら俺も難しく考えないで済む点ではシンプルだが、やはりリュウビは俺へのやる気要員だったようだ。


だが、赤頭巾がセイシュウ城攻めへの援軍としてやって来る可能性があるなら、その前に今居る敵の数を減らして、城内のセイ州兵と呼応して現状を打破する作戦に変更するのだと婆ちゃんは言うが、果たしてセイ州兵は俺達3人だけの援軍に呼応するかは行き当たりばったりの賭けだ。


かくして、俺達は赤頭巾の援軍が来るであろう北側の城門とは逆の、南側の城門に向かって大きく迂回することとなった。


完全に暗くなるのを待って作戦の決行となるのだが、今回の作戦も内容は俺と婆ちゃんのゴリ押しな点は同じだ。

ただ、今回はリュウビにもセイシュウ城への伝令役が与えられた。

一応、婆ちゃん特製の装備を身に付けているので、女将軍として見える筈だが、敵陣からたった1人で現れて信用されるかは賭けだ。



暗くなるのを待って俺達は南側城門が見える位置で息を潜めていた。


『それにしてもあのドアーフが!』


思い出したかのように婆ちゃんが言い放つ。


『どうせ、人に向けての魔法に臆して敵にバレたのじゃろうな。そもそも、魔剣を作ろうなんて奴が人殺しに臆している時点で無理なんじゃが、その辺があのドアーフには分かっておらん!』


どうやら、作戦を台無しにされて婆ちゃんは殊更ご立腹のご様子だ。

確かに、魔剣は人を殺めるのにも使われる可能性があるのだから、その覚悟が無く魔剣なんて作るのは確かに本末転倒だ。

もしかしたら婆ちゃんは、その辺の覚悟を期待してホートさんに錯乱作戦を委ねたのだろうか?

見事に婆ちゃんの期待に応えたら弟子入りを認めるみたいな。

実際、リョウ君の時もあれこれテストしていたしな。


そうなると、ホートさんは今回も不合格となりそうだが、元々婆ちゃんはホートさんを気に入ってたような…

気に入っているからこそ厳しくしているなら、もしや…


これが前世で噂の…


ツンデレなのか!?


婆ちゃんがツンデレ…


無いわ。


あの婆ちゃんがツンデレはナイナイ。


俺がそんなくだらない想像をしていると


『リュウビはワシとカンの後ろで討ち洩らした敵を警戒しとれ。無理に戦う必要は無いから、城門まで無事にたどり着くことを優先するようにな』


婆ちゃんからの指示に


『承知しました。仙人様』

『カンちゃんもよろしくね』


笑顔で答えるリュウビであったが


あぁぁぁ

そんな笑顔で「よろしくね」って…


『リュウちゃん!任せて!!!!』


恐らく過去一でやる気スイッチが入った気がする俺。


俺って単純だなぁ…

次回投稿予定【12月16日】

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