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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
67/84

平凡に戦況報告

其の66






騎馬に跨がる3人が無人の荒野を駆けていた。

本隊から先行して2日目の昼過ぎには、遠くにセイシュウ城が見える位置にたどり着く。

寝る時間を削ったお陰で予定より早いようだ。


『まだ落城はしてないようじゃな』


チョウ妃の姿ながら本来の口調で婆ちゃんが呟く。


『とは言っても時間の問題だろうから急ごう』


俺の言葉に隣で遠くに見えるセイシュウ城を見つめていたリュウビが頷く。


恐らく今から急げば、日没前にはセイシュウ城にたどり着くだろうが、城外は赤頭巾によって包囲されている状況だと無闇に近づくのは悪手だ。


『ワシらはたったの3人じゃ。巧く立ち回なねば、数の暴力に飲み込まれるだけじゃな』


婆ちゃんは冷静に言うが、そもそも3人というのを決めたのは婆ちゃんだ。

始めから出来るだけ多くの騎馬隊で来れば、もっと作戦だって色々出来ただろうに今更か?


そんな俺の気持ちを読み取ったかのように


『まっ、3人だから今後出来る作戦も色々あるんじゃがな』


チョウ妃の美しい顔には似合わない不気味な笑みを浮かべる婆ちゃん。


ハイ。

私が浅はかでした。


どうやら、全ては婆ちゃんのプラン通りのご様子。

とは言え、最後は婆ちゃんの魔法と俺の能力頼みのゴリ押しのプランしか想像出来ないんだけど…


『お2人とも、怪我には気を付けてくださいね』


リュウビだけはマイペースでそんなことを言うが、この3人だと、リュウビが一番心配なんですけど。


『俺達よりリュウちゃんが気を付けなよ』


『じゃな』


2人に軽く突っ込まれ、「ウッ」とした表情をするリュウビだが、その表情がまた可愛い。

〈こんなに可愛いリュウビに怪我なんかさせない為に頑張らないと〉と思った瞬間、婆ちゃんは俺のやる気の為に、あえて3人にした?なんて気がしてきた。

恐らく、リュウビは戦力的に頭数には入っていない?

と言うより、2人でゴリ押ししたらなんとかなるが、俺のやる気が作戦の肝だったりするような…


ん~

婆ちゃんの作戦は既に発動されているってことか…


まっ、戦に関しては素人の俺の「やる気スイッチ」を上手に使う作戦だこと。

俺もその作戦通りに頑張って、リュウビを危険な目に遇わせるようなことはしないけど。


俺が婆ちゃんの魂胆に気付いた頃


『錯乱戦は失敗のようです』


シュウソウからの念話が、頭の中に響いた。


同時に婆ちゃんの表情がみるみる険しくなり


『あのドアーフが!』


吐き捨てるように言い放つ婆ちゃんだったが


『赤頭巾の指揮官に作戦が見破られた可能性があります。恐らく、ダイキンの指揮官だった男のようです』


とのシュウソウの戦況報告に


『ダイキンの指揮官?確かカンゲンじゃったか?』


婆ちゃんの独り言に、俺が取り逃がした指揮官がカンゲンだったような記憶が…


でも、そんな男なら婆ちゃんが既に対処している筈だが。

これまでの戦いは婆ちゃんの独壇場だったが、指揮官だけはキッチリ仕留めている。

なのに何故?


疑問は尽きないが、これで赤頭巾の援軍も考慮に入れないとならなくなった。


『こうなっては仕方がないの。急ぐぞ』


そう言って勢いよく馬を走り出させる婆ちゃんを、俺とリュウビが慌て追いかけるが、作戦変更の嫌な予感がした。

次回投稿予定【12月3日】

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