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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第五章
61/84

平凡に救援要請

其の60






連戦連勝…


味方からは死者どころか負傷者さえも出さない完全勝利。

破竹の勢いで進軍を続けるユウ州軍。

これでは前世のゲームでイージーモードをプレイした時よりも勝ち過ぎだ。




◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆




チョウ妃の策を採用したユウ州軍は、当初予定していた通りの日程で進んでいた。

むしろ、敵との戦いをしながら予定通りと言うことは予定より早いぐらいなのだろう。

最初の戦から何度か赤頭巾の軍勢と戦ったが、回数が進むにつれ、ユウ州軍の旗を見るだけで逃げ出すようになり、チョウ妃の作戦通りだったからだ。

逃げた赤頭巾に対しては、指揮官らしき者をことごとくチョウ妃が転移魔法で先回りをして討ち取っている。

その為、残された雑兵は各々が逃げるので精一杯でとても反撃が出来る状況では無かった。



ダイキンを出発して10日目。

キィ州を一路キョロクに向けて進軍しているユウ州軍にダイキンからの早馬が到着した。

俺達もスウセイ将軍の幕舎に呼ばれ、そこで手紙の内容が教えられる。

手紙はユウ州候からで、先日ダイキンにセイ州からの急使がやって来て、セイシュウ城が赤頭巾に包囲され落城の危機にあり、これの救援要請とのことだった。

セイシュウ城とはセイ州の州都のことだ。


俺達を前にスウセイ将軍はこの付近の地図を見ながら少し考えた後


『どうであろう。我軍は順調過ぎる進軍を続けておる』

『その為、兵糧にもまだ余裕がありセイシュウ城の救援要請に応えても問題無いと思うのだが』


そう言って集まった皆を見回した。


距離的には3日程の行程のようだが、兵糧に問題が無いなら助けに行った方が良いだろう。

皆が概ねスウセイ将軍に賛同を示した時、1人地図を眺めていたチョウ妃が


『これは大問題だ』


苦い顔で呟いた。


一応軍師のチョウ妃の言葉に慌てたスウセイ将軍が


『チョウ妃殿。なっ、何が大問題なのでしょうか?』


同じように地図を覗き込みながら尋ねると


『我々が倒してきた赤頭巾が問題なのだよ』


そう答えると


『シュウソウ!直ちに我等の後方からセイシュウ城迄を視てきてくれ』


シュウソウに命ずる。


命令を受けたシュウソウが無言で飛び立つと、チョウ妃は地図上で赤頭巾と戦った地点を指差しながら


『これ迄に赤頭巾の奴等はここと、ここ。それにこことここ』


その指を俺達は無言のまま目で追うと


『恐らくだが、赤頭巾の奴等はセイシュウ城に向けて進軍していたのだろう。少なくとも今指差した赤頭巾の軍は拠点の守備兵とは違っていた』

『だとすれば、逃げ出した雑兵がセイシュウ城を包囲している赤頭巾に合流することも考えねばならん。もし、セイシュウ城が落城したなら我々の後方に新たな赤頭巾の軍勢が出現することにもなる』


チョウ妃がそう言い切ると


『では、急ぎ救援に向かわなければ落城しては手遅れになる可能性も!?』


コウソンタン将軍が問うと、チョウ妃は黙って頷いた。


てっきり俺達の迎撃の赤頭巾の軍かと思っていたら、セイシュウ城の攻略に加勢する赤頭巾の軍勢だったとは…

最初の頃の戦と違いここ数日は戦う前に逃げ出していた赤頭巾は、ユウ州軍の恐ろしさに逃げていたのではなく、セイシュウ城に向かう為に余計な戦いを避けていたと言うことか?


恐らくだが、加勢に向かう赤頭巾には俺達ユウ州軍の事は伝わっていたのだろう。

本来なら俺達を見付けたなら戦いを避けてセイシュウ城に向かう予定だったかもしれないが、俺達のシュウソウによる索敵能力が高過ぎて(ことごと)く対応出来てしまったが故

「何故ここに赤頭巾が?」

といった戦略的視点が欠けていたと言うことだろうか…


だが、結果的にセイシュウ城への加勢を俺達が倒したことで、セイシュウ城の落城を遅らせ、こうして救援要請を受けられたとも考えられるか…


その時


『セイ州方面に向かう赤頭巾兵多数』


シュウソウからの念話が頭の中に響いた。


次回投稿予定【9月2日】

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