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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第四章
52/84

平凡に功名

其の51






デジャブ?

ちょっと前にもこんな光景があったような…


多分気のせいだろう。


『おはようございます。ホートさん』


俺はすこぶる平静を装ってこちらを睨むホートさんに話し掛けてみた。


その時!


「バシッッッー」


乾いた音が部屋に響く。


俺の左頬には激痛が走り見事な手形が残されている。


『こ、この、浮気者ォォー』


目に涙を浮かべたリュウちゃんから渾身の平手打ちをくらったが何故浮気者?


解せぬ。


朝からカオスな修羅場は勘弁して欲しいので先ずはリュウちゃんに


『何か誤解をしてない?』


痛みを堪えて話し掛けると


『私という者がいるというのに寝室に女性を連れ込むのは浮気以外に何なのですか!』


わなわなしながら俺を問い詰めるが、そもそもリュウちゃんが浮気が何たるかを知ってるかの方が怪しい。


『リュウちゃん。昨夜酔い潰れて俺はここまでどうやって来たかも覚えてないのに何故浮気だと決めつけるの?』

『それにホートさん。何故貴女は俺の寝室で寝てたのですか?』


俺は2人にそれぞれ問いかけるが、恐らくこの2人にも説明は出来ないであろう。

2人がそれぞれ昨夜の記憶を辿っていると部屋の扉が開き


『朝から賑やかじゃの』


そう言って婆ちゃんが現れ


『おっ坊っちゃん。朝からお盛んですね』


等と全く空気を読まないクーネルが後からズカズカと部屋に入って来る。

その後ろには扉の陰から恐る恐る部屋を覗き込むリョウ君の姿が。


『さすがは旦那さま』


いつの間にか部屋に入ったシュウソウがそんなことを言うものだから事態の鎮静化とは真逆の雰囲気になるかと思われたのだが


『す、雀が。雀が喋ったぁぁー!?』


シュウソウが喋ったことに驚いたホートさんが絶叫してベッドに倒れ込んでしまう。

昨日もシュウソウは一緒だったが喋らなかったか?


カオスな修羅場一直線だった雰囲気はホートさんの絶叫により一気に鎮静化してしまったのだ。


これが怪我の功名なのであろう。


次回投稿予定【5月2日】

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