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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第四章
50/84

平凡に困惑

其の49






そこにいる全員の視線がホートさんに集まる。

突然の「師匠」との発言に驚いたのが皆の反応だろうが、俺だけは「師匠」やら「旦那様」やら「ご主人様」等は面倒事の決まり文句だと最近は認識を改めていたので冷やかな視線を送る。


『失礼しました』


そう謝り、ホートさんは自分の事を話し始めた。


ホートさんは元々ドアーフ女王候補の1人だったのだが、自分の実力からその器では無いと自覚していた。

実力的には現女王のスピシアさんが頭一つ抜きに出た存在だったのもあったらしい。

そんな女王候補時代に宝物庫で仙人より授かったとされる魔剣を目にする機会があったのだが、ホートさんは一目でその魔剣の持つ力に魅了され、いつかは自分の手でこんな魔剣を作りたいと思ったとのことだった。

しかし、当時同じ女王候補だったスピシアさんはその魔剣を認めようとせず、ホートさんとは何度も意見の対立を生んだとのことだ。

スピシアさんにしてみれば自分の汚点とも言える魔剣なのだから認めたくない気持ちもわからなくない。

だが、ホートさんは良い物は良いと認め、ドアーフの伝統的な剣を他の技法を取り入れた次の段階への技術革新を強く主張し、結果的にスピシアさんと対立したらしい。

その後、スピシアさんが新女王となったのだが、旧態依然のドアーフ王国を嫌いクーネルを伴いまだ見ぬ技術を求め2年前にゴウキン帝国にやって来たのだそうだ。

ゴウキン帝国に来たのは当然魔剣を作った仙人がゴウキン帝国の者だと聞かされたからだ。

そこで赤頭巾の乱に巻き込まれ今に至るのだが、偶然にも目の前に自分が探していた仙人が現れたのだから「師匠」とつい発してしまったらしい。


そんなホートさんの話しを聞いていたクーネルは何故か涙目でウンウンと頷いているがこの際スルーしておこう。


『ワシはお前さんに教えてやれることなぞ無いぞ』


ホートさんの話しを聞いて無かったのかと思われる冷たい婆ちゃんの一言がその場の空気を一変させた。

悲しげな表情で婆ちゃんを見るホートさんだったが


『お前さんに必要なのは素材とイメージじゃ』


と続ける婆ちゃんの言葉に再び目を潤ませ


『そっ、それはどう言う意味でしょうか?』


言葉の真意を問うと言うより教えを乞う弟子のようなホートさん。


『そのままの意味じゃ』


とまた冷たくあしらう婆ちゃん。


『師匠。私も後学の為に教えてください』


今まで黙って聞いていたリョウ君も興味があったのだろう。

少し考える素振りした婆ちゃんだったが


『カンや。腹が減ったな』

『とりあえず飯にしようかの』


そう言ってしわくちゃの笑顔で俺を見ると、リュウちゃんとクーネルは一瞬で笑顔になったのだが、他のみんなは一層困惑の表情となったのだった。

次回投稿予定【4月10日】

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