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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第四章
49/84

平凡に師匠

其の48






『こちらがドアーフ様でさ』


クーネルがドヤ顔で紹介してくれたが


『誰?』


当の本人は当然状況が理解出来ていないらしくクーネルに訪ねると


『オレの主人の坊っちゃんでさ』


そんな答えをクーネルがしたが益々状況が混乱したらしいドアーフさんは


『主人?坊っちゃん?』


クーネルと俺達を見回しながら警戒していた。


『あっ。すみません』

『そんな紹介ではわかりませんよね』


俺はここに来る迄の状況と俺達の事を簡単にドアーフに説明してやっと警戒を解いでくれたようだ。


『クーネルが迷惑掛けたようです。すぐに金銭を払いたいが、生憎手持ちがありません』


ドアーフさんは申し訳無さそうにこちらを見ながらそう言ってきたが、今まで黙っていた婆ちゃんが


『金ならいらん。お前さんは本当にドアーフか?』


とドアーフさんをなめ回すように見ながら問う。


『失礼した。私はドアーフのホート』

『正真正銘のドアーフ』


言葉少なにドアーフさんはホートと名乗ったが惜しい。

ホウ統とホート。

実に惜しい。

俺がそんな事を独りで考えていると


『どうしてドアーフのそなたがこのダイキンに居るのでしょうか?』


少し緊張した様子のコウソンタン将軍がホートさんに問いかけると


『私はスピシアと仲が悪い』


ん?

スピシア?

そのスピシアさんと仲が悪い事とここに居るのが関係している?

俺の知識では解読不可能な理由だが


『スピシア陛下と仲が悪いだと!?』


コウソンタン将軍はスピシアさんを知ってる様子だが、陛下?

俺が益々話しに付いていけないでいると


『ほぉ~。スピシアと仲が悪いか』

『ヨシ。気に入った』


何故か婆ちゃんはホートさんを一方的にお気に入り登録したようだが、理由がスピシアさんと仲が悪いからってどういう意味?

それに、コウソンタン将軍はスピシア陛下と呼ぶのに婆ちゃんはスピシアと呼び捨てなのは知り合いなのか?


『はいはい。ちょっと話しが全然わからないけどちゃんと説明してくれよ』


思考停止寸前の俺が婆ちゃんに問うと婆ちゃんはスピシアさんの事を話し始めた。



婆ちゃんの話しだと、50年程昔ゴウキン帝国は日照りによる飢饉で何万もの餓死者がでたらしい。

その時、南方の山脈をねぐらにしていた古龍に雨乞いをしに行ったが、聞き分けのない古龍と話し合いがいずれ喧嘩となり、結局古龍は婆ちゃんにボコられて雨を降らせ翌年から飢饉は回避されたとのことだった。

その喧嘩の時に古龍の牙を何本かへし折ったのだが、せっかくの貴重な龍の牙なので婆ちゃんは牙を素材に魔剣を作ろとした。

しかし、魔剣に適した鉱物の手持ちが無かった為、鉱物を求めドアーフ王国に行った時にまだ女王になる前のスピシアさんと出会ったとのことだ。


ドアーフ王国は世襲ではなく完全実力主義で、魔法、錬金術、錬成術に秀でた者が代々女王になり国を治めるらしい。


婆ちゃんは高純度の金剛鉄(アダマンタイト)が欲しかったらしいが、他国の者が簡単に手に入れられる品物ではなく、仕方なく高純度の白銀鉱(ミスリル)を譲ってもらう交渉をしていた時に次期女王候補だったスピシアさんの工房で白銀鉱を譲ってもらったのだが、その時婆ちゃんが作った魔剣でスピシアさんの自慢の剣を折ってしまったらしい。


よそ者に次期女王候補が作った剣が負けた事が当時の女王に知られ、スピシアさんは次期女王候補から除外されそうになったのだが、婆ちゃんが当時の女王に自分が仙人だと証して龍の牙で作った魔剣を献上し結果的にスピシアさんを助けた容になったのだが、それがスピシアさんのプライドを余計に傷付けたらしくそれ以来ドアーフ王国には行ってないらしい。



それにしても、龍をボコったとか、ドアーフの現女王の剣を折ったとかサラッと婆ちゃんは話してたけど、話しを聞いていたコウソンタン将軍とリョウ君は顔色がかなり悪い。


ん~

婆ちゃんはもう少し大人しく仙人出来ないのかな?


俺の中で心の声が響いた時に


『師匠!』


そう言ってホートさんが瞳を潤ませて婆ちゃんを見つめていた。


あぁ~

また頭痛の種が…

次回投稿予定【3月30日】

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