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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第三章
36/84

平凡に陣形

其の35






『何をしている?』


俺達が捕虜の処遇に悩んでいるところに砦の占領を終えたチョウ妃がやって来た。

一通りの経緯を話すと


『ふん。くだらん』


そう言って森と同じように魔法障壁の牢を100人程度に分けたグループ毎に次々と作っていった。

ちなみに砦の捕虜も同じように魔法障壁の牢に閉じ込めてきたとのことだった。

途中文句を言う者には問答無用の【雷撃】で黙らせる辺りは容赦が無い。

仙人の時の気分屋的な部分がチョウ妃になっている時はより強烈になってるようにも感じるが、これも仙人と同一人物とバレない為の演技だろう。

しかしあの容姿から仙人と同一人物などと考える人がいるはずも無いと思うのだが…


淡々と魔法障壁の牢を作っていると、先ほど無双を繰り広げた獣人がチョウ妃に向かって


『あんたは強そうだな』

『どうだ?オレを雇わないか?』


と自分を売り込んできた。


『ほう』


そう言ってチョウ妃は俺の方を向いたので、無双を繰り広げた話しをすると


『貴様は傭兵か?』

『その見てくれからすると「猿人」か?』


そう言って獣人の捕虜を値踏みするように眺めたが


『私は猿は好かん』


とアッサリ断った。

すると獣人は


『そっちの将軍さん達はどうだい?』

『オレの強さはさっき証明しただろ?』


今度は俺達の方を向いて自分の売り込みを始めた。

証明と言う辺りからさっきの無双はわざとだったか。

確かに怪我人は出たがこちらに死人は出て無い。

パフォーマンスとして戦場で立ち回っていたなら、かなりしたたかな奴のようだ。

俺とコウソンタン将軍が顔を見合わせお互い乗り気では無い様子なのを感じた獣人は


『そっちの導士様はどうだい?』

『オレは護衛としても使えるぜ』


とシバ導士に売り込みを始めると、少し考えたシバ導士は


『よかろう。貴様を雇おうではないか』

『但し、この戦中は捕虜として同行してもらう』


そう言うと手を縛ったまま腰縄を付けさせ部下に連れて行かせてしまった。


『シバ殿。大丈夫ですか?』


すかさずコウソンタン将軍がシバ導士に問いただすが


『儂もさっき捕まえた捕虜をいきなり戦に使ったりはせんから安心なされよ』


そう大将に言われてはコウソンタン将軍も渋々了承するしか無かったのだが、チョウ妃は


『くだらん奴は性格もくだらん。気を付けることだ』


と釘を刺す。


『仙人の弟子風情が自分も仙人にでもなったつもりか』


シバ導士はチョウ妃に向かって悪態を突いて本陣に行ってしまった。


『あんな奴が大将か。次の戦でどさくさ紛れに殺してしまうか?』


などと多分本音をチョウ妃が言ってたが俺は完全スルーを決め込む。

気持ちが分からないでも無いが、あからさまな敵意を味方に向けるのは今後の決戦に当然悪影響だ。

いちまつの不安を抱えはしたが、それぞれの本音を封印し気持ちを決戦に切り替えるのであった。




◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆




日暮れ迄に捕虜達はチョウ妃の魔法障壁の牢に全員押し込まれた。

夕食の後俺達は本陣に集まった。

初日の戦果は俺達の勝利だが、それより味方に死者が一人も出なかったのは何よりだった。

重傷の者達も随行の導士やチョウ妃の治癒魔法のお陰で死ぬことは無い。


『では明日以降の作戦について説明します』


リョウ君の言葉に皆が注目する。


『明日は本番の赤頭巾との決戦の為、陣立ての訓練とします』

『決戦の地はここより「ダイキン」に向かって半日程の丘陵地帯とします。実際の地での訓練により我々は地の利を得られます』

『そして訓練の終了を待って偽書で「ダイキン」に駐留している赤頭巾を誘い出します』


そう説明すると


『数倍の敵に対して陣を構えて正面から迎え討つと言うのか?そんな都合の良い陣など聞いたことが無いわ』


そうシバ導士が早速食って掛かってきたが、リョウ君は慌てた様子も無く落ち着いて手元から一本の巻物のような物を取り出して


『ここに仙人様からお預かりした必勝の陣形が記されてます。皆様どうかご安心ください』


そう言い放つと


『『『『『おおぉぉぅ』』』』』


とその場に居合わせた人達から歓声があがる。

リョウ君はおもむろに巻物をシバ導士に差し出すと、巻物には


【八門妖鎖の陣】


と記してあった。

次回投稿予定【12月3日】

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