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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第三章
32/84

平凡に進軍

其の31






朝、日の出前にユウ州軍は一路「タイコウ山」に向けて出発した。

「タクケン」から南にある「タイコウ山」とそこから南西に位置する「ダイキン」を攻略出来たらユウ州内の赤頭巾はほぼ無力化出来そうだ。

その後、皇帝の号令にて集まった討伐軍と合流し赤頭巾を殲滅出来たら一先ず乱世の終息が望める。


「タイコウ山」までは「タクケン」から2日の工程を予定しているが、途中でスウセイ将軍が率いる本隊は進路を西に向けて進軍し、「タイコウ山」から「ダイキン」への援軍の要請を遮断する役割も担っている。


初日の工程を予定通りに進軍し、夜営の準備をしていると俺達の幕舎に尋ねてきた人達がいた。


『私はエンリュウ候の配下で「コウソンタン」と申します』

『そして、この者は私の部下で「チョウウン」と言い武芸においてはユウ州軍一、二の剛の者』

『どうか「タイコウ山」攻略の際は我らの力を存分にお役立てください』


と自己紹介してくれた。

最早お約束なのか「趙雲」らしい方も一緒だし…


『初めまして。私は仙人様の弟子で「スギヤマ ミキオ」と申します』

『こちらの女性が「リュウビ」向こうの女性は「チョウ妃」です』

『「ショカツリョウ」は元々スウセイ将軍の縁者ですからご存知でしょうか?』


俺は全員を紹介してコウソンタンさんとチョウウンさんを幕舎に招き入れた。


コウソンタンさんはユウ州軍の将軍でドアーフの国との国境である山脈一帯を普段は治めているそうだ。

コウソンタン将軍の年齢は30代半ばといった感じで、見た目は濃い顔立ちからもしかしたらゴウキン以外の血筋なのかもしれない。

チョウウンさんは年齢20歳前後の青年で、身長は180cmを超えているようだが、見た目のしなやかな体つきと端正な顔立ちからゴツイ印象は全く無い。

俺の知ってる三国志の趙雲と違って槍では無く弓の名手とのことだった。


『明日以降の作戦では「タイコウ山」から赤頭巾を誘い出すのが作戦の肝かと思います』

『その役目は是非私も参加したく思いお願いに伺いました』

『そして伏兵は弓兵が主体となると思いますので、どうかこのチョウウンをお使いください』


俺としては有能な将軍が一緒に戦ってくれるのは有り難かったのだが、一応チョウ妃とリョウ君の方を伺うと


『スウセイ将軍はこのこの事をご存知でしょうか?』


リョウ君がコウソンタン将軍に問うと


『もちろんスウセイ将軍の許可は取ってありますのでご安心を』


とニコやかに答える。


『ならば問題ありません。コウソンタン将軍にはカンウ殿と一緒に赤頭巾を誘き出す役目を、チョウウンさんには伏兵部隊3000の指揮をお願いします』


そう言ってリョウ君は2人に作戦の指示を出したのであった。




◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆




翌朝、俺達「タイコウ山」攻略の6000はスウセイ将軍の本隊と別れて南を目指して出発した。

この隊が実質今回の「ダイキン」解放迄の戦闘の中心を担う精鋭部隊で、6000の大将はエンリュウ候配下のシバ導士が担い、カンウとコウソンタン将軍が副将となる容だ。


「タイコウ山」への進軍の道中コウソンタン将軍が俺達のところに来て


『御大将のシバ導士ですが、ここだけの話し私は信用に足りる人物だと思っておりません』

『皆様も気を付けてください』


と大将の人柄について教えてくれたのだが、仮にもこれから戦に挑む大将が信用出来ないって正直、不安要素満載だった。

そうは言ってもあのスウセイ将軍がこちらの大将に任命したのだろうから大丈夫だろうと気持ちを切り替えて一路「タイコウ山」へ向かって進軍するのであった。


標高1000mにも満たない「タイコウ山」は南の「タイズン河」までの丘陵地帯に大小十数の山並みが連なっている。

何故、この「タイコウ山」が拠点なのかと言えば、ユウ州への物資の多くは「タイズン河」の水運で運び込まれており、「タイコウ山」の麓には物資の陸揚げに適した入江が点在している点であった。

「タイコウ山」を占領出来たら、この水運を監視出来るだけで無く、州都「ダイキン」への物質を押さえられ、ユウ州全体への物資の集約拠点も担っていたからである。


進軍も昼を過ぎた頃には「タイコウ山」の全体や遠くに「タイズン河」が見える地点に到着した。

ここから先は隊を別けて進むのだが、俺達の隊の武具等の装備は泥を塗ったりして少しでも弱々しい印象を与える偽装を施してある。


隊を別ける前に俺達は作戦の最終確認の為、シバ導士の元を訪れた。


『この少数では夜襲の方が赤頭巾に打撃を与えられると思うのだが、どうであろう?』


いきなりシバ導士から作戦の変更を提案された。


『それでは、取り逃がした赤頭巾が「ダイキン」に逃げる恐れがあります』

『それに「タイコウ山」の赤頭巾もそろそろ我々に気付くでしょうから夜襲をしても効果は薄いかと思います』


リョウ君が既に夜襲の提案を見切っていたかの返答にシバ導士も続く言葉が無かったが


『そのような見方もあるようだ』


と自分の深慮の甘さを横柄な態度で誤魔化していた。

なるほど。

この辺がコウソンタン将軍が言っていた信用するに足りない理由のようだ。


『ではこれより夜陰に乗じて作戦通り伏兵の隊は決められた場所に移動後待機でお願いします』

『チョウ妃さんの隊も赤頭巾に気付かれないように注意してください』


リョウ君の指示の元、明朝に俺達の隊が「タイコウ山」に攻めるのを合図に作戦を実行する事となった。

次回投稿予定 【11月4日】

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