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~ 平凡 関羽 ~  作者: つくば太郎
第二章
14/84

平凡にアジト

其の14






『昨夜は眠れましたか?』


俺がクンヨウが居る魔法障壁に朝食を持って近くと


『おはようございますミキオ殿。縄をほどいて頂きましたので、眠れました』


と何か昨日までとは別人のような顔つきで俺に挨拶をしていた。


「ミキオ殿」か

なんか初めて名前をちゃんと呼んで貰ったような…

婆ちゃんと師匠とタイシキョウちゃんは俺を「カン」と呼ぶし、シュウソウは「旦那さま」か…


俺が久しぶりに名前を呼ばれ、なんとなく照れくさそうにしていると


『今日中に皆様を竜谷にご案内します』


とやたら張り切っている。


昨夜、婆ちゃんが仙人だと名乗ったのが効いているのかもしれない。

確かに普通の人間が滅多に会うことさえ無い仙人と世間話しをした訳だから仕方ないのかもしれないな。


ちなみに俺が転生者だとは明かしていない。


そこに婆ちゃんが


『そろそろ行こうかの。まぁ、お前さんも妙な真似はしなそうじゃからちゃんと案内せい』


そう言って魔法障壁を解除した。


どうやらクンヨウが逃げたりしないと判断したようで、今日は手を縛らないようだ。




◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆




『あそこに見える沢沿いに進めばアジトです』


転移魔法で昨日の場所に移動し草原を抜け、森を進み一旦家に戻って昼食を済ませてからしばらく歩いた所でクンヨウが説明する。


この森は大柄な魔獣も生息していないらしく、順調にアジトに近づいているようだ。


途中クンヨウは婆ちゃんをおぶろうかと言ってきたり、シュウソウとも楽しそうに会話している。

山賊だと知らなければ気の良いオヤジにしか見えない。


元々クンヨウはこういう男だったのかもしれないが、歯車が一つ狂っただけで山賊になる人生か…


そんなことを考えながらクンヨウに続いて沢沿いを歩いていると


『ゴォォォ』


っと何やら音がする。


『もうすぐアジトです。あの音はアジトの脇にある滝の音ですね』


と説明してくれた。


滝の脇にアジトか。

マイナスイオン効果で健康促進なんて知らずにアジトを作ったのだろうが、音が気にならないのだろうか?

夜とかうるさそうだけど…



アジトは滝の横にある巨岩の裂け目から奥の斜面を掘り進めた作りのようだ。

あれなら少しは音も軽減されるのかもしれない。


クンヨウが先にアジトに入ろうとした時


『あっ。クンヨウさん無事だった…』

『なっ、なんでそいつらと一緒に?』


裂け目の奥から3人の若い男が現れ俺と婆ちゃんを見て動揺しているようだ。

どうやら昨日ローソン村から逃げたヤツが戻って来ていたのだろう。


しかし無言のクンヨウは一番前にいた男のみぞおちに膝蹴りを入れ、次の男には踏み込みと同時に顔面を殴り首の後ろに手刀を入れ意識を奪った。

残された男にクンヨウは


『無駄なあがきをするな!』


と一喝。


男はクンヨウの迫力に圧され座り込んむ。

男の後ろに回り込み腕を取って地面に抑え付けると


『この者達を捕縛する縄を頂けませんか?』


と婆ちゃんに縄を要求してきた。

婆ちゃんから縄を受け取ると手際よく3人を縛り上げ


『よし』


と一言言い放っち


『この3人は昨日見張りをしていた者達です』


と少しドヤ顔のクンヨウ。


それにしても武芸一家の出身なだけある。

本人は武芸の才能が無いと言っていたがなかなかの腕前だ。


縛り上げた3人は山賊の中でも下っぱで、元は食えなくなった農家の出身だとクンヨウが教えてくれた。


でも、また山賊が3人増え面倒なことだ。


『とりあえずその3人は後回しじゃ。クンヨウ例の場所はここなのか?』


と婆ちゃんはクンヨウに問いただす。


例の場所?

それがここまで来た理由なのだろうが、どんな企てをクンヨウとしているのか?


『いえ仙人様。この滝の下でございます』


とクンヨウが答えた。

クンヨウが婆ちゃんを「仙人様」と呼んだ事に意識がある若い男は驚きの表情で婆ちゃんを仰視している。


しかし滝の下に何が?


『ですが仙人様。少々問題が…』

『つい数日前からですが、滝の下の方で悪霊が出るようで…』


はぁ?

今度は悪霊ですか!?


悪魔や喋る死体に続き悪霊まで出ましたか…


異世界不思議大放出中!



『悪霊とな?』

『死霊系の魔物なら昔散々退治したが、悪霊には会ったことが無いの』


と仙人の婆ちゃんにとっても悪霊はレアキャラのようである。


『まぁ、どうにかなるじゃろうから案内せい』


とまたまた気楽にこの仙人は悪霊をどうにか出来るらしい。

厄介な事態だが俺に拒否権はやっぱり無く、悪霊が待ってるかもしれない滝の下へ降りて行くことになった。

次回投稿予定 【7月26日】

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