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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2583年(1923年)

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第47回帝国議会<5>

皇紀2583年(1923年)12月12日 帝都東京


 櫻内幸雄とのやりとりは地方選挙区選出議員の賛意を得る形となり改軌派4人にとって追い風となった。


「櫻内議員とのやりとりで議員諸氏はご理解いただけたかと存じますが……弾丸列車構想は、日本列島改造論と言っても良いものであり、それこそが本義であると改めて申し上げ、私の答弁は終わります」


 有坂総一郎は壇上で一礼し参考人席に戻ったが、一礼した際に櫻内が拍手し、これに同調する議員も現れ、議場に拍手が響き渡った。この時に拍手をした議員たちは多くは憲政会所属議員だったが、櫻内などの立憲政友会の議員も含まれていた。


 原敬総理大臣はこの様子を見て立憲政友会の次期総選挙での劣勢が予想した。だが、同時に選挙の結果、憲政会が多数派となっても自身の政策転換が継続されるであろうと確信を持ったのであった。


「来年の選挙は厳しい戦いになりそうだのぅ……」


 原の呟きはすぐ隣にいた達磨こと高橋是清大蔵大臣にも聞こえていた。


「総理、気弱なことを言ってもらっては困るよ……」


「いや、我が立憲政友会は鳩山が醜態を晒したのだ……あれは流石に庇いきれんよ……」


 立憲政友会を指導する二人は議席から参考人席を睨み続けている鳩山一郎と犬養毅へ視線を向けつつ溜息を吐いた。


 この二人は議会政治において明らかに問題があることを史実において幾度となく行い、結果、国家を破滅へ誘った。そして、それをこの時、原と高橋は感じ取っていたのである。


「高橋さん、私はね……鳩山の公認を取り消そうと思う……そうでないと我が立憲政友会は確実に負ける……賛同してくれますか?」


「……総理がそう考えるなら従うまで……存分にやられよ……」


 二人の苦悩はこの後、原内閣が崩壊するまで続く……そして、この鳩山処分の方針がどこかから漏れ出したことで原の運命が決まってしまうのであった。

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