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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2583年(1923年)

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ビキン陥落

皇紀2583年(1923年)8月27日 ビキン


 第8旅団によるビキン攻略は成功に終わり、極東共和国軍の残存兵力の降伏投降によってビキンは完全に大日本帝国の占領下となった。


 第8旅団は戦闘に勝利し、ビキン攻略という作戦目標を完遂したが、当初予定よりも弾薬の消費が激しく、自軍の弾薬不足を悟られないため、捕虜や投降兵などの目に付くところでは空の弾薬箱を山積みにして豊富な物資を有していて圧倒的優位に揺るぎはないと視覚的に錯覚させるなど苦労があった。


 しかし、26日にポクロフカにおいて警戒配備についていた第16連隊第3大隊から伝令が届き、上陸後転進した上陸用舟艇が補給物資を満載して戻ってきた旨を伝え、これによって第8旅団は補給の問題が解消することが出来たのであった。


 26日早朝から極東共和国軍が籠もる仮称第一要塞線に重砲支援の下、要塞攻略が開始された。浦塩派遣軍主力が攻勢を開始すると同期して第8旅団も第15連隊を派遣し、要塞を南北から挟撃することで敵の動きを牽制した。


 要塞南面にあるいくつかの塹壕陣地は善戦したが、本来、敵の攻勢があれば駆けつけてくれるはずであったビキン駐屯部隊の壊滅と逃走によって後詰を失ったことで、搦手である要塞北面に歩兵部隊を回す必要が出たため塹壕陣地が機能不全を起こし、結果、浦塩派遣軍の攻勢に耐え切れず数時間で塹壕陣地は放棄されるに至った。


 26日夕刻……未だ戦闘は終結していなかったが、極東共和国軍の最期の拠り所であった重砲陣地も遂に継戦能力を喪失するに至った。防衛の主戦力であった重砲が破損するなどして喪失されたのであった。最後の頼みの綱を失うが、極東共和国軍の抵抗は激しく、数は少ないが配備されていたフェドロフM1916自動小銃を機関銃代わりに用いて浦塩派遣軍の突撃を阻み続けるのであった。


 業を煮やした浦塩派遣軍は波状的に突撃を敢行させ、無用な負傷者を生み出すだけであったが、遂に極東共和国軍の弾薬が尽きたと判断したときに全力で突撃し、抵抗を排除したのであった。


 26日夜に至り、要塞司令部庁舎周辺での最後の抵抗が終わり、建物内の制圧部隊が司令官室と思われる部屋に突入した時には敵の司令官及び司令部要員と思われる自決した遺体を複数発見し、これによって要塞陥落と浦塩派遣軍は判断した。


 27日未明に残敵掃討が完了し、第8旅団と浦塩派遣軍の直接連絡が可能となったのである。

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