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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2592年(1932年)

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オリンピック<2>

今回の話題はキリが良いところがこんな感じだったから短め。

皇紀2592年(1932年) 7月30日 アメリカ合衆国 ロサンゼルス


 国内の各勢力の思惑と駆け引きは兎も角、企業の多大な出資と帝国競技振興籤による収益で日本代表団は最良の環境で鍛錬を行うことが出来、彼は自信を深めつつ渡米したのだが、そこで彼らを待ち受けていた事件があった。


 横浜から出港した日本郵船の浅間丸に乗船した彼らだが、その船旅はおおむね順調にその行程を消化していたのだが、同船していたインド代表団のマネージャーであるグル・ガット・ソンディに話し掛けられたことから問題が起きたのである。


 当初彼は紳士的に意見の交換や自チームの自慢などをしていたのだが、日本代表団にとって許しがたい暴言が飛び出てきたのだ。


「インドはアーリア人でアジアの連中とは人種が違う、日本人は蒙古の出身だ」


 この言葉は日本代表団にとてつもない衝撃を与えたのである。同じアジア人だと思っていたインド人に見下されたという事実が日本代表団の怒りに火をつけ、言い争いに発展したのである。


 特に前回アムステルダムオリンピックで金メダルを取っていた何人かの選手はソンディを海へ放り投げようとして掴みかかった。流石にその状況に自身の失言と日本代表団どころか周囲の日本人旅客、欧米人の憎悪まで買ったことに気付いたソンディは今までの非礼を詫び、事なきを得たが、この事件は日本代表団に大きく影響を与えたのである。


「我々は欧米人どころかインド人にさえ見下されている……列強の一員だと思って世界に認められたと思っているのは自分たちだけなのかもしれない」


 彼らに人種差別と列強による世界支配という現実が重くのしかかったのだ。しかし、彼ら日本代表団には失望だけではなく、希望と自信があった。


「あの様な無礼な存在に二度と同じことを言えないような成果を出そうじゃないか、今の我々ならそれが出来る。そのために本国が便宜を図ってくれたのだから」


 団長である平沼亮三はそう言って代表団の面々を鼓舞して回った。そして自信を鼓舞したのである。


「負けられない。負けてたまるか」


 日本代表団の心は一つとなり、敵地ロサンゼルスへ乗り込んだのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] まぁ一言にアジアといっても、その規模はユーラシア大陸一だし、民族も文化も多種多様だから仕方ないとはいえ、この様な衝突が起きちゃったか… 大アジア主義者ってこの民族・文化の多様性が自分達の想像…
2020/08/11 10:10 退会済み
管理
[気になる点] あら、またもや大アジア主義に冷水。 あとは中華のハゲ辺りが何か言ってくれるとたいへん助かるな。 アジア人が手を取り合うとか言う夢想が破壊されると目が覚めるだろう。
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