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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2591年(1931年)

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緊縮財政と建艦競争と癒着と

皇紀2591年(1931年) 6月25日 アメリカ合衆国 ニューポートニューズ


 アメリカ合衆国上下院において戦闘巡洋艦建造計画は一部の慎重派の制止はあったものの、大方の予想通り可決され正式に建造が開始された。


 建造所は以下の通りである。


 USSアラスカ   CC-1:ニューヨーク造船株式会社カムデン造船所

 USSグアム    CC-2:ニューヨーク造船株式会社カムデン造船所

 USSハワイ    CC-3:ニューヨーク造船株式会社カムデン造船所

 USSフィリピンズ CC-4:ニューヨーク造船株式会社カムデン造船所

 USSプエルトリコ CC-5:ニューヨーク造船株式会社カムデン造船所

 USSサモア    CC-6:ニューヨーク造船株式会社カムデン造船所


 全艦一括でニューヨーク造船に発注され、同社のカムデン造船所の船台で並行建造されるという異例の建造が発表されたのである。


 大方の予想は海軍工廠と各造船メーカーへの分散発注であると考えていたが、緊縮財政を実施する連邦政府がこれを拒み、建造能力が随一である同社に一括発注で建造費用を圧縮させることを命じたのである。


 海軍側は海軍工廠の工員たちに仕事を与えるべく海軍工廠での建造を望んだが連邦政府はにべもなく却下していた。


「こんなオモチャを建造するだけでも感謝して欲しいのに海軍の我儘にこれ以上付き合いきれるか」


 とハーバート・フーヴァー大統領は流石に海軍側の要求に断固とした態度で拒絶、経費削減を優先したのである。


 当然、この事態に面白くない海軍当局は海軍びいきのかつての海軍長官であったニューヨーク州知事フランクリン・デラノ・ルーズベルトに接近を図る。彼らにとってルーズベルトは要求を聞き入れてくれる存在であり、同時に海軍の擁護者であるという認識であったからだ。


 ワシントン軍縮会議の際も海軍側の要求を押し通し16インチ戦艦を日英より優位になる様に交渉を運んだことも海軍側にとってルーズベルトを持ち上げる理由の一つであったし、軍需産業と海軍そしてルーズベルトの癒着関係もあった。


 ニューヨーク州知事選挙において海軍は水面下でルーズベルト支持に動き、軍需産業もまたルーズベルトのために選挙資金を融通していたのである。これによって記録的な大勝利を得たことでルーズベルト神話が形成されていたのだ。


 無論、ニューヨーク造船への一括発注という状態は他の軍需メーカーには面白くない状態であり、ルーズベルトとの癒着をさらに促すこととなったのは間違いなかった。



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― 新着の感想 ―
[一言] 正にデモクレイジーな世界。 この体質が米国の暗黒面。当時の魔王を支えた源泉ともいえるし、この暗黒面は今も変わらない。 そのうち同盟国の筈が気が付いたら中華系大統領誕生で盛大にはしごを外され…
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