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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2590年(1930年)

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ジューコフ

【告知】ドイツ襲撃艦コンペ開催【告知】


1930年夏に就役するドイツ襲撃艦についてコンペを開催。11月30日までの期間で応募を受け付けるので是非参加していただきたい。




活動報告「このはと」ドイツ襲撃艦のコンペ


https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1102207/blogkey/2449084/




大和型のテンプレートを用意しているのでそれを参考に応募して欲しい。

皇紀2590年(1930年) 4月10日 ソヴィエト連邦 モスクワ


 ゲオルギー・ジューコフがヨシフ・スターリンの執務室に訪れたのはその日の夕刻であった。


「同志のお呼びにより只今出頭いたしました」


「よく来た、同志ジューコフ。同志に一つ仕事を頼みたい。同志にはハイラルへ行ってもらいたい」


 スターリンはジューコフが出頭するなり用件を伝える。


「同志にはハイラルで一軍を率い、満州に居座る関東軍に対する遊撃戦を行ってもらう。モンゴルのチョイバルサンを支援しつつ国境地帯へ進出し、関東軍や北京北洋政府の兵力をノモンハン周辺に誘引するのだ」


 スターリンの狙いは明らかに支那における各勢力を北方へ釘付けとして、支那大陸における動乱の再発を企図しているものだ。国境を接する関東軍、北京北洋政府は確実に動かざるを得ず、北洋政府が北上した空白地帯を蒋介石の南京国民政府が空き巣狙いで動くように仕向けることである。


 南京国民政府が河南省や湖北省を狙い動いた隙を突くことで湖南省の長沙を狙い毛沢東率いる中華ソビエトが動く。長沙を占拠した後は江西省と湖南省を中心に赤化勢力の拡大を目論み、あわよくば武漢共産政府を中華ソビエトに吸収させ第三勢力として再度表舞台に立たせることを計画していたのだ。


「同志、ノモンハン周辺への展開をするのは構いませんが、些か兵力が少なく感じられます……関東軍がノモンハン周辺を無視し、兵を動かして手薄となったハイラルを落とされる可能性があります。是非、機動戦力として戦車の追加投入を要望したく……また、ハイラル方面は正面戦力はそこそこの数字であると言えど、兵站に関して非常に問題がありますゆえ、シベリア鉄道によって物資集積を万全としていただきたく……」


 ジューコフはメモをスターリンに手渡し対処を願った。


 ハイラルの兵たちが要塞防衛よりも自分たちの食生活を優先するかのような屯田兵状態であるということをジューコフは知っていたため、これでは士気が保てないだけでなく、出撃などすればすぐに糧食の補給に問題が出るということを知らせたのだ。


「報告では十分に足りているということだったが……この数字は正しいのかね、同志?」


「はい、派遣されている政治将校が虚偽の報告を出し、自らの実績とするような行いをしているために現実は兵が飢えているとのことです」


 ジューコフは報告の数字と実際の数字の乖離を指摘し、増援の分も含めて適正な数字を提示する。


「宜しい。同志の要求する分を認めよう。だが、結果を出し給え」


「はっ! では、私はこれから関係各所に折衝をしてまいりますゆえ失礼致します」


 スターリンは退出していったジューコフを執務室の窓から見送り、気付いたジューコフが敬礼をして見せると手を挙げて応えたのであった。


 ジューコフは行動を起こすにあたっての必要な戦力の正確な見積もりと兵站の確保、それに必要なトラックや油槽トラックの手配などに2週間の時間をかけ、準備が出来た部隊や資材から後方支援基地をなるシベリア鉄道の分岐点チタへ送り込むのであった。


「これで日欧を揺さぶるお膳立ては出来た……あとはアメリカがどう踊るか……」

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