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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2590年(1930年)

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地の底から伸びる謀略の手

【告知】ドイツ襲撃艦コンペ開催【告知】


1930年夏に就役するドイツ襲撃艦についてコンペを開催。11月30日までの期間で応募を受け付けるので是非参加していただきたい。




活動報告「このはと」ドイツ襲撃艦のコンペ


https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1102207/blogkey/2449084/




大和型のテンプレートを用意しているのでそれを参考に応募して欲しい。

皇紀2590年(1930年) 4月10日 ソヴィエト連邦 モスクワ


「同志、欧州列強は慌てふためいて疑心暗鬼となっておりますぞ。成果は上々と存じます」


 クレムリンの主は赤の広場を見下ろしつつ部下の報告を受ける。


 駐英アメリカ大使館からもたらされた情報はモスクワによってすぐさま有用と判断され欧州列強を揺さぶるための撒き餌として暴露され、あたかも秘密交渉を行った結果のモノであるかのように見せかけていた。


 これにまんまと引っ掛かった列強各国と疑惑の当事者であるアメリカは疑心暗鬼となり空転していたロンドン軍縮会議は更なる紛糾を招き一向に妥結の道筋が見えない状態となっていた。


「結構なことではないか。よくやった。さて、同志にはもうひと働きをしてもらおう。毛沢東に指示を出すのだ。奴に潤沢な資金と武器を流し込み蜂起させよ。武漢の役立たずどもは放置すればよい。武漢に逃げ込んだまま蒋介石と対峙することすら出来ない裏切り者どもは毛沢東から死を与えさせればよい」


 クレムリンの主、ヨシフ・スターリンは次なる一手を打つ。


 武漢の共産党政府は一連の支那動乱の元凶であったが、蒋の北伐によって国共合作政府から追い出され、その後失地回復を企むが返り討ちにあったことで武漢に引きこもりその周辺地域から徴税と称して収奪を繰り返す野盗の群れと化していた。


 無論、モスクワのコントロール下にあることで繋ぎの要員もいるが一向にモスクワの指示に従った武力闘争と革命闘争に本腰を入れないためモスクワからの資金・資材の供与は事実上打ち切られていたのだ。


 しかし、毛は彼自身の経験から都市部住民による革命、蜂起ではなく、大多数を占める農村を革命の主軸と考え、農村地帯へ活動拠点を移していた。


 将の南京政府の軍隊、警察の捜索の及ばない省境界の山地を根拠地とした毛らは「有土必豪無紳不劣」と訴え、小作人を扇動し解雇された小作人を共匪に仕立て上げて勢力を拡大していたのだ。


「毛に中華ソビエト共和国樹立を促し、まずは長沙を襲う様に指示を出すのだ。長沙はタングステン鉱床が付近に点在し、物資集積の要地だ。ここを襲い、制圧することは列強に流れるタングステンの根っこを抑えることとなる。そして蒋の資金源を断つこととなる」


「同志、狙いは列強の介入を誘い、再び利害関係の不一致による仲違いと相互不信のどん底に陥れることですな……」


「あぁ、その通りだよ同志。かの地は我が母なるロシアの大地と同じく、空間そのものが要塞である。その空間に引きずり込まれたならばナポレオンが如く敗退するのだ」


 スターリンは不気味なほどにこやかな笑みで語る。


「では、早速……」


 部下が執務室から退出するとスターリンは受話器を取り交換台に取次ぎを命じた。


「あぁ、私だ。同志ジューコフを呼び給え。そうだ、すぐにここへ来るように伝えよ」

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