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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2590年(1930年)

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425/910

ロンドン軍縮会議<2>

皇紀2590年(1930年) 1月21日 大英帝国 ロンドン


 大英帝国にとって植民地人と見下すべき存在が今や主人であるべき自分たちに対抗し、それどころかその立場を逆転させかねない状況に苛立ちを覚え、その矜持にかけてそれを許すわけにはいかなかった。


 なんとしてでもこの軍縮会議で英米の戦力比率を対等か8割以下に抑え込みたかった。それゆえにイタリアの廃艦要求は渡りに船と言えるものだったのだ。結果、フランスを見捨てる形で軍縮方針を明確に打ち出したのだ。


 彼らの目論見はこうだ。


 アイアン・デューク級は13.5インチであり、イギリスが保有する戦艦群で最も口径が小さいものだった。アイアン・デューク級、タイガー級、ネルソン級以外は15インチに統一されている。


 アイアン・デューク級:13.5インチ×10門

  4隻:40門

 タイガー級:13.5インチ×8門

  1隻:8門

 クイーン・エリザベス級:15インチ×8門

  4隻:32門

 リヴェンジ級:15インチ×8門

  4隻:32門

 フッド級:15インチ×8門

  1隻:8門

 レナウン級:15インチ×6門

  2隻:12門

 ネルソン級:16インチ×9門

  2隻:18門


 仮にアイアン・デューク級とタイガー級を廃艦にしても、15インチ×84門、16インチ砲×18門である。


 対して、アメリカ海軍のそれを見ると。


 フロリダ級:12インチ×10門

  2隻:20門

 ワイオミング級:12インチ×12門

  2隻:24門

 ニューヨーク級:14インチ×10門

  2隻:20門

 ネバダ級:14インチ×10門

  2隻:20門

 ペンシルベニア級:14インチ×12門

  2隻:24門

 ニューメキシコ級:14インチ×12門

  3隻:36門

 テネシー級:14インチ×12門

  2隻:24門

 コロラド級:16インチ×8門

  4隻:32門


 フロリダ級、ワイオミング級、ニューヨーク級を除けば、14インチ×94門、16インチ×32門になる。


 16インチ砲搭載戦艦については兎も角、14インチ砲には拮抗出来るものであり、砲戦距離や一発当たりの威力を換算すれば十分に対抗出来る数字となる。また、イギリスは一方面に動員出来るが、アメリカの場合、大西洋と太平洋の二正面を強いられる以上、その総数が大西洋に動員される可能性は低く、その場合、仮にコロラド級が大西洋に集中動員されたとしても撃ち負けないと踏んでいたのだ。


 無論、それはアメリカ側も十分に承知している事実である。それだけに争点は代艦枠の設定に対するものとならざるを得ない。


 仮に廃艦総トン数をそのまま建造枠にした場合、イギリスの主張に沿った場合、アメリカは最大15万2000トンを得る。但しフロリダ級を除けば10万8000トン。イギリスは12万9000トンの建造枠となる。


 つまり、アメリカにとってはイギリスが言及した代艦建造枠をどう解釈し、自国の都合を押し付けるかが大きく影響するのだ。無論、フロリダ級の4万4000トンは本来はコロラド級4番艦ロードアイランドの建造枠として引き換えだったのは周知の事実であるが、アメリカはそれを無視し、今回の廃艦枠を6隻と計上して15万2000トンを要求する腹である。


 イギリスにとっては3万5000トン程度の中型戦艦4隻の建造枠を手に入れ、15インチ砲3連装3基程度を計算した新型艦の青写真も海軍においては検討されている。同様にアメリカ側も史実ノースカロライナ級の当初プランに近い14インチ砲4連装3基搭載の青写真を検討し、同様に3万5000トン程度で4隻を目論んでいたのだ。


 奇しくも同規模の新型戦艦のプランを検討し、それぞれの戦略的展開を計画していたのだが、真相は明らかにならないが、真っ向勝負になる形で会議の席上で対立点として露わになったのだ。

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