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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2587年(1927年)

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鍵は揃う

皇紀2587年(1927年)9月18日 神奈川県 三崎・城ケ島


 通称:城ケ島監獄こと城ケ島要塞研究所に一人の男が訪れた。彼の名は岡部金治郎という。東北帝大の助教授であり、八木秀次教授の教え子である。


 彼が東北帝大からここに訪れたのは理由がある。


「東北帝大から参りました岡部と申します……こちらに八木秀次教授がいらっしゃる筈ですが、面会できますでしょうか?」


 城ケ島を望む三崎港にある陸軍の派出事務所にて面会希望を申し込む。


 城ケ島要塞研究所に所属している者は基本的に存在そのものが軍事機密に相当するため、島内外への出入りはここを通して行うこととなっている。当然のことだが、接見には監視が付く。


「八木教授か……あぁ、すまない。彼は今、島には居ない。夕方には戻ると聞いているから、ここで待っていてもらえないか? それとも、宿を手配するからそこに行って待っていてもらおうか?」


 事務所窓口で応対に出た日に焼けた曹長徽章の付いた男はそう言うと電話に手を伸ばす。


「いえ、お構いなく。暫く逗留するつもりで来ておりましたので、既に宿は取っておるのです。態々宿までお出で頂くのもお手間でしょうからここで待たせていただきたいと思いますが、宜しいですかね?」


「あぁ、構わない。お茶くらいしか出せるものがないが……寛いでくれ。俺は奥で仕事をしているから何かあったら呼んで欲しい」


 そういうと曹長は事務所の奥に引っ込んでしまった。


 岡部は出されたお茶を啜りながら、窓の外に見えるアンテナだらけの城ケ島を眺め見て時間を潰した。

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