表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2585年(1925年)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/910

蒋介石、起つ

皇紀2585年(1925年)12月20日 支那 広州


 上海から回航されてきた永翔級砲艦、永翔・中山の2隻が広州湾に進入するや蒋介石が校長を務める黄埔軍官学校に照準を合わせ突如砲撃を開始した。


 後に広州湾事件と呼ばれる共産化国民党軍による蒋抹殺を狙った事件である。


 砲撃が始まった時、蒋はまだ自身の官舎で就寝していた。だが、帝国陸軍時代の習慣から砲撃の音で目覚めるとすぐ近くに置いてある軍服に素早く着替え校長室へ駆け込んだ。


「何事か、すぐに確認して報告せよ!」


 蒋が校長室に飛び込んでからすぐに顔を見せた士官に命を下す。


 続々と集まる側近や士官を前に蒋は檄を飛ばす。


「非常事態である。信頼のおける諸君以外は皆敵であるとみなす。配下の兵を率い、直ちに共産党分子を拘禁、武装解除せよ! 事後、沖合の敵艦と接触を図り、これをも武装解除させん!」


 蒋は明快な指示を部下に与え、続々と上がってくる報告を聞き、情勢を分析しつつ反撃のタイミングを計る。


 夜が明ける頃には彼の側近たちは共産党員を殆ど拘禁、武装解除することに成功し、反撃の体制は整った。


「毛沢東、周恩来ら幹部級共産党員は事態を察知し逃走した模様」


「よい、捨て置け。連中は今は何も出来ん。我らが対応するのは目の前の敵艦だ。恐らく、今頃は陸戦隊を上陸させる頃合いだろう……ソ連式に訓練した我らを見くびったツケを支払わせるぞ」


 部下の報告を聞くと同時に側近たちを見まわし、檄を飛ばす。


 直後、校門前から銃声が聞こえ、士官候補生たちの応戦が始まった。


「長い一日が始まった……だが、これは一日の始まりではない……私が権力を握るための戦いの始まりなのだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ