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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備《ノスタルジー》  作者: 有坂総一郎
皇紀2584年(1924年)

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新設計巡洋艦建造

皇紀2584年(1924年)12月3日 横須賀海軍工廠


 史実とは異なるワシントン軍縮条約の結果、そして関東大震災、陸奥建造、天城の工事促進などによって帝国海軍の建艦スケジュールは完全に狂っていた。


 この建艦スケジュールを狂わせた張本人は造船の神様と色んな意味で称されている平賀譲造船少将である。彼は有坂総一郎と組んで横須賀海軍工廠の建造スケジュールを操作し、工廠の工員を天城の建造促進に用い、また、他の海軍工廠から優秀な人材をかき集めることで物理的に海軍の艦艇建造を一時停止に追い込んだのである。


 彼らはなぜその様なことをしたのか?


 答えは平賀の設計による大正、昭和一桁世代の軍艦に欠陥と不備があることだ。ワシントン条約が史実とは異なるとは言えど、補助艦艇に関しては史実通りに建造が進められていた。このままの建造ペースでは何れ第四艦隊事件や友鶴事件が起きるのは必至であり、その対策を講じる必要があったのだ。


 もとはと言えば、平賀の転生者としての覚醒が遅かったことが原因であり、その時点で夕張型は建造されており、古鷹型などの”コンパクトで重武装”な軍艦シリーズも設計が済み、建造予算が組まれていたのである。


 このため、彼は建造に支障が出る形になるように人材の引き抜きや建艦スケジュールの設定をしたのである。


 実際に、帝国海軍としてもワシントン条約で陸奥の保有を認めさせる必要があり、その工事促進は当時は何よりも優先であった。また、天城の工事促進も保有枠確保のための条件であったのだ。


 結果、平賀の裏工作によって、新型巡洋艦である古鷹型の建造は中止され、本来、川内型4番艦として建造予定だった加古の古鷹型2番艦としての建造もキャンセルされ、元通りに川内型4番艦として代艦建造されることとなった。


 1924年現在の帝国海軍の主要艦艇は以下のものである。


 戦艦

  長門・陸奥・伊勢・日向・金剛・比叡・榛名・霧島

  扶桑・山城(偽装退役)

 前弩級戦艦

  敷島・朝日・薩摩・安芸(練習戦艦・処分待ち)

 航空母艦

  鳳翔

  加賀・土佐・天城・赤城(何れも建造中)

 巡洋艦

  球磨・多摩・木曽・北上・大井

  長良・五十鈴・名取・由良・鬼怒・阿武隈

  川内・那珂・神通・加古(竣工間近)

 装甲巡洋艦

  出雲・磐手・春日・日進・筑波・生駒・鞍馬・伊吹・浅間・常磐

 防護巡洋艦

  筑摩・矢矧・平戸

 駆逐艦

  磯風型4隻、江風型2隻、峯風型15隻、神風型9隻

  睦月型12隻(24年起工、26年頃就役予定)


 ワシントン条約の混乱で史実よりも保有枠が増えていること、関東大震災による廃棄猶予もあり、旧式の前弩級戦艦や装甲巡洋艦が現在でも保有されていることで、史実よりも正面戦力は遥かに上回っている状態だ。


 だが、実態としては起工されたばかりの睦月型を除けば旧式化著しい状態であり、何れも30年代には近代化改装が待ったなしの状態である。


 だが、各地の大型船渠や大型船台はいずれも大型艦の建造のために空いていない状態であり、今後、入れ替わりで入渠改装、船台では新型艦の建造が見込まれている。


 そして、関東大震災後の損傷が回復したばかりの横須賀海軍工廠において新設計の古鷹型重巡洋艦の建造が始まったのである。

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