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ヒューズ演説

皇紀2581年(1921年)11月12日 アメリカ合衆国 ワシントンDC


 アメリカ合衆国国務長官チャールズ・エヴァンズ・ヒューズはワシントン会議の冒頭に唐突であるが重大な発表を行った。


「我が合衆国は、各国が進行中の主力艦建造計画を全て放棄することを要求する!」


 この発言に議場はどよめき、各国代表は青ざめた。


 さらに彼の演説は続いた。


「それだけでなく、今後10年、新たな主力艦建造を行わないことを求める。また、米英日の主力艦保有割合を10:10:6とすることを提案する!」


 彼の演説が終わると拍手が沸き起こり、それはアメリカの大胆な軍縮案は参加各国の賛同を得た瞬間であった。


 首席全権海軍大臣加藤友三郎は、その瞬間してやられたと思った。


――これでは、本国の強硬派が息を吹き返す……。それでは私がここに来た意味がない……。


「我が合衆国は、現在建造中の戦艦、巡洋戦艦15隻の建造を中止し、一切を放棄する!」


 アメリカ全権団は引き続き、自国の提案を述べ続けた。


 この演説とアメリカの提案は国際世論を味方にし、日本を脅威であると印象付ける目的を持っていることが明白であったのだ。


「我が合衆国海軍が建造中の艦艇を放棄するのであるから、大日本帝国も同様に未完成の長門型2番艦陸奥他、八八艦隊構想の全ての建造艦艇、計画艦艇を廃棄していただきたい。また、同様に大英帝国も保有割合に見合った艦艇の削減に協力いただきたい」


 ヒューズはアメリカ全権団を代表して、日英に具体的要求行い、会議の主題を誰の目にもわかるように示したのであった。


「各国全権団は、本提案を持ち帰っていただき、明日以後の討議に備えていただきたい。では、散会!」

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