第1話 [出会い]
そこのあなた
お疲れのようですね
少し休んでいきませんか■
あなたがいつしか忘れていた
この心内で◆
……。
………。
…………。
とりあえず真っ暗なので
電気をつけてみようか
…ついたね
今にも命が尽きそうな裸電球が
薄暗い小部屋を淡く照らす
ここは心内
自分の大切な心の中
他の誰にも干渉を許さない場所
そして
ぼくの唯一の居場所
ん?上の方にある丸いの?
あれは、眼球
ぼくはあそこからいつも
外の世界を見つめている
ここはぼくだけの場所
他の誰にも入ることは許されない
勝手に入る人たちは
肉片と化すまでぐちゃぐちゃにする
そのくらい、大切な場所
え?
何故、ぼくがこんなところにいるのか?
それはね………
キキィー……バタン
あ…………侵入者だ
迎え撃とう
言葉という武器を両手に構え
エゴという鎧を身にまとい
今日もぼくは心内を守る
見つけた
そこにいる
■ね。外道が。
この薄汚いク◆が。お前のようなゴ◓は
この場所は愚かこの世に存▼する権利も■い。
今すぐここで、◒して………
…ちょっと待った
なんだろうか
この違和感
ぼくの武器は
侵入者の胸に深く刺さっている
赤いのが胸から流れ落ちる
薄暗い心内の汚い床に
それが流れ落ち溜まった赤い鏡に
映ったぼくの顔を見て
ぼくはその場に立ち尽くした
僕じゃないか。
ただいま、ぼく
おかえり、僕
◉◒〇