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再びギルドへ

楽しみにして下さっていた皆さん。長くお待たせしてしまいすみませんでした。

 冒険者ギルドカトレア支部。カケル達は今、ここに来ていた。ドアを開くとカケル達に気付いた受付嬢が走り寄ってくる。カケル達に応対した受付嬢だった。


「お待ちしておりましたラクテウス・オルビスの皆様。ギルドマスターの部屋へお願いします」

「あぁ」


 ギルドマスターの部屋の前まで来ると、受付嬢が控えめにドアをノックする。


『はい』

「ラクテウス・オルビスの皆様がお見えになりました」

『入ってもらってください』

「失礼します」


 ノブを捻って扉を開き、自らは脇によけてカケル達に入室を促す。四人全員が中に入った後、扉は閉められる。中にいるのはカケル達とミカエルだけだ。


「待っていましたカケル様。どうぞお掛けになってください」


 先日座ったのと全く同じソファーに座る四人。ミカエルはその対面へと腰掛ける。机の上には南京錠の付いた小箱と麻袋が一つあった。ミカエルはまず麻袋の方をカケル達に差し出す。


「こちらがオウガのスタンピードを鎮圧した報酬一万五千ガゼルです。確認をお願いします」


 麻袋を受け取ったカケルが硬貨を取り出して並べていく。金貨一枚と大銀貨五枚がしっかりとあった。それを確認したカケルが一つ頷くと、ミカエルも返答するように首肯して小箱を手元に引き寄せる。


 先日と同じように南京錠を外し、小箱を開いて中身が見えるようにカケル達へ向ける。


「こちらがトゥルディオス討伐の報酬五百万ガゼルです」

「多いわね……」

「それだけトゥルディオスが危険視され、その討伐の貢献度が高いということです」


 白金貨五枚をしまうカケル。あまり使わないために無駄にたまり続けるお金。使い道は今のところほとんどと言っていい程ないが。


「それからもう一つ」


 カケルが白金貨をしまったのを見届けたミカエルが声を発する。


「トゥルディオス討伐という偉業を成し遂げたカケル様と夕姫様の冒険者ランクをSSSへと昇格させることが決定しました」

「アタシとカケルだけ?」

「はい。トゥルディオス討伐の確認が取れたのはカケル様と夕姫様だけだったので。私としては織音様とダイキ様もSSSにしたかったのですが」


 織音とダイキのギルドカードに記録されている討伐した魔物の中にトゥルディオスの名前はない。カードの情報を元に協議をする以上、二人に昇格の話が出ないのは当然であった。


 申し訳ありませんと頭を下げるミカエルを気にするなと織音とダイキが宥めている。


「それでミカエル。SSSランクになって何か変わることあるか?」

「それについて今から話そうと思っていたんです」


 カケルが問い掛けると、仕切り直すように一度咳払いをして居住まいを正す。


「SSSランクは冒険者ギルド創設から今日この時まで誰も到達することのできなかったランクです。そのため、基本的な冒険者の扱いとしては特に変更点はありません。尤もカケル様達は冒険者登録をして日が浅いので、よくわからないとは思いますけど」


 SSランクの冒険者でも結構色々な特典があるらしいが、四人がカンビオで冒険者登録して以来、宿以外ではその恩恵を全く受けていない。ほとんどが移動の時間になったからではあるが。


 協議の結果、SSSランクの扱いはSSランクの特典を少しよくした程度になったようだ。基本的にはこれまでとほぼ変わらないと言っていい。


 しかし、ここからが大きな変更点。というか、追加だ。


「まず、SSSランクに昇格したと同時にギルド側から強制依頼が発生しました」

「強制依頼?」

「ギルド側が取り決めた。SSランク以下の冒険者には決してさせられない依頼を強制的に受けさせることになりました」

「拒否権は?」

「申し訳ないのですが、ありません。断れば、即冒険者資格の剥奪をされます」


 本当に申し訳なさそうに目を伏せるミカエル。カケル達としてはまあ特に異論はないし、何より自分の配下の面目を保つためにも拒否はしない。気にするなというように肩を竦めるカケルに対して深いお辞儀をするミカエル。


「で、その強制依頼の具体的な内容は?」

「トゥルディオスと同格の竜。天災七竜の討伐です」


 ミカエルの言葉にがっくりと肩を落とすカケル。やっぱトゥルディオス以外にもいたんだなぁというのが心情だ。いたんですよ。


「既にトゥルディオスが討伐されているので、残りは六体になります」

「居場所は?」

「六体中六体が不明です」

「どうしろってんだよ」


 詳しく言うと、これまでの目撃報告からある程度までは絞り込んでいる。それでも、天災そのものとまで言われる程強力な竜種だ。まず人は近付くことすらできず、行動パターンは謎に包まれている。まあ生息域を特定したところで手の出しようもなかったため、本格的な調査に乗り出さなかったというのもあるようだが。


 しかし、カケル達のような人智を超越した存在が現れれば話は別である。これから本格的な調査をし、天災七竜の生息域から行動パターンなどの情報をしっかりと集めるそうだ。集めた情報はカケル達に逐一教え、より早い天災七竜全ての討伐をしてもらいたいという。


「強制依頼ではあるものの。情報不足なので期間は定められていません」

「んじゃあ、そう焦る必要もないんだな?」

「勿論です。できるだけ早く脅威を無くしてほしいという考えはありますが、大して情報のない相手に挑むという無謀なことをやれと言っているわけではないので、情報が入るまで気楽に待っていただければと」

「気楽にはできんだろ。普通に考えて」

「そうですね」


 カケルの意見に思わず苦笑するミカエル。まあ何だかんだ言っても、カケル達が気楽にしないということはないと言いきれる。そういう人達の集まりです。ラクテウス・オルビスは。


「何はともあれ、情報がないことには俺達も動きようがないし、気長に待つよ」

「はい。ギルドとは別に、グラズヘイムでも情報収集をしていこうと思っているのでより早くより正確な情報をカケル様達にお伝えします」

「頼んだ」

「畏まりました」


 満面の笑みで力強く首肯するミカエル。崇拝する主人の命令程配下にとって嬉しいことはないだろう。グラズヘイムにいる他の配下達も気合を入れて事に当たるだろう。それを思い浮かべて頼もしく思うカケル達だった。


「これでギルドからの通達はおしまいです」

「おう」

「カケル様達はこれからどのように?」

「今からフェレイラのところに行く。来てほしいって言われたしな」

「そうですか。では、お気をつけて」


 そしてカケル達はギルドを後にした。


 ちなみに、カケルと夕姫のSSSランク昇格のことは、まるで稲妻のように瞬く間に都市内に広がることとなった。このことをまだ四人は知らない。知っても特はない。

ありがとうございました。


なんか、戦闘シーンを書きたくてうずうずしてきた……。

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